トランプ氏「PGAツアーとリブゴルフの交渉を15分で解決できる」 “シンパ”デシャンボーだけでなくマキロイも「彼ならできるかも」!?
「大統領は、ゴルフよりもっと大きなことに集中しなければならない」
ところで、トランプ勝利がゴルフ界にもたらす影響は、もちろん欧州でも大いに取り沙汰されている。 先週のDPワールドツアー、アブダビHSBC選手権に出場したローリー・マキロイは、「私ならPGAツアーとリブゴルフの交渉を15分で解決できる」と言い放ったトランプ発言に対する自身の意見を英テレグラフにこう語っていた。 「トランプなら、そうできるかもしれないね。トランプの傍らにはイーロン・マスクも付いている。トランプ同様、世界で最も賢いマスクも加われば、きっと何かが変わるんじゃないかな」 しかしマキロイは、そう言った上で、「15分」というスピード解決を豪語したトランプ発言に、少しだけ釘を刺すこんな言葉も付け加えた。 「PGAツアーとリブゴルフの交渉は、外部から見れば大して複雑ではないように見えるのだろう」 それは、実際は複雑きわまりない交渉に直接的あるいは間接的に関わってきているマキロイの「コトは、そんなに簡単ではない。それだけは強調しておきたい」という本音だったのではないだろうか。 「でも、トランプはサウジアラビアともゴルフともグレートな関係を持っている。そして何より、トランプはゴルフを愛している。だから、たぶん彼ならできるんじゃないかなと思うけど、答えは誰にも分からない」 さらにマキロイは、トランプ自身の言葉を受けて、念を押すかのようにこうも付け加えていた。 「大統領は、ゴルフよりもっと大きなことに集中しなければならない」 その通り、大統領にはまずやるべきことが多々あるはずである。だが、トランプ次期大統領が公言通り、さまざまな問題を「2分」や「24時間」でスピード解決していくことができたら、もしかしたら、その先でゴルフ界のために時間を捻り出し、PGAツアーとリブゴルフの統合交渉を「15分で解決」することが、あるかもしれないし、ないかもしれない。 米ゴルフ界にも世界のゴルフ界にも、そんな期待と不安が入り混じり、今は混沌としている。 文・舩越園子 ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。
舩越園子(ゴルフジャーナリスト)