【ハイライト動画あり】ルーキーの小野澤謙真がハットトリック。『攻める慶應』掲げた東洋大戦で10トライの完勝
後半に向けて慶大は、もう一度ギアを上げないと相手が息を吹き返すと確認し合い、ピッチに出たという。 前半の終盤、プレーが雑になった時間帯があったと自覚したからだ。
後半最初の得点は相手に許したものの、慶大はすぐに2トライを追加して差を広げた。15分の時点で48-12として勝負を決める。 「体が大きく、パワーのある選手が多く、前へ出る自分たちのスタイルを試すのにいい相手」(中山主将)と考え、臨んだ試合で、思うような80分を過ごすことができた。
攻守とも前へ。 その意識は、小野澤が奪った最初のトライ、インターセプトしたシーンにも強く出ていた。 日本代表キャップ81を持つWTB/FB、宏時さんを父に持つルーキーは、「ああいうシーンで、相手がボールを大きく動かしてくるのは分かっていました。なので、思い切り前に出ました」とそのシーンを振り返った。
小野澤は、デビュー戦で結果を出せたことについて、「少し緊張はしましたが、練習でやってきたことを出す。そこに集中しました」。 いい形でボールをもらえるように、ラインの深さを意識したことが奏功した。
中山主将は今季のチームが目指すターゲットを、『大学選手権ベスト4以上』とする。 「まずベスト4。それで満足することなく日本一を目指そう、という目標を持っています。常にチャレンジする姿勢でやっていきます」
春シーズンは自分たちの強みは何か、持っているものの何が通用するのかなどを知り、磨く。 「引き出しを増やしていきたい」と言った。
敗れた東洋大のPR笠巻晴太主将も、前を見据え続けていた。 開いたスコアに落胆するより、自分たちの現在地に目を向けた。 春は土台の部分を大きくすることに集中している。それが、試合を重ねていく中で成長の幅を大きくしてくれると信じている。
この日の試合では、慶大の勝負へのこだわりの強さを受けてしまったと反省した。圧力下でミスも出た。「自分たちから崩れてしまいました」。