「不記載」陣営同士が激突 和歌山2区、派閥裏金事件
衆院和歌山2区は、自民党の派閥裏金事件に「関与」した陣営同士の激突構図となった。旧安倍派幹部で自民を離党した無所属新人世耕弘成氏(61)は第一声で「政治資金収支報告書の不記載で大きな失敗をした。心からおわびする」と謝罪。同様に不記載があった二階俊博元幹事長の三男で公設秘書だった自民新人伸康氏(46)は「政治とカネの問題にしっかり取り組む」と訴えた。 参院からくら替えし保守分裂選を仕掛けた世耕氏は海南市で演説し「もう一度、地域発展のために働かせてほしい」と声を上げた。二階氏の地盤と組織力を引き継ぐ伸康氏は田辺市で支援者ら数百人を前に「東京一極集中を止めて、地方に元気を取り戻したい」と述べた。 立憲民主党新人の新古祐子氏(52)はJR海南駅前で裏金問題を「諦めないで声を上げ続けたい」と批判。共産党新人の楠本文郎氏(70)、諸派新人の高橋秀彰氏(42)も立候補を届け出た。 裏金事件の党処分を巡っては、世耕氏が離党勧告となった一方、二階氏は衆院選不出馬を表明し、対象とならなかった。