国会職権行使法改正案、一部が第3読会を通過 立法院周辺では1万人超が抗議/台湾
(台北中央社)立法院院会(国会本会議)で28日、立法院職権行使法改正案の一部条文が第3読会(3段階審議の最終段階)を通過した。台北市の立法院周辺では、国会職権関連法の改正を巡って議会がブラックボックス化していることなどに抗議する市民が集結し、議会で話し合いを行うよう訴えた。主催者発表によれば、同日午後4時現在、集まった市民は1万人を超えた。 立法院は野党・国民党と民衆党の両党が過半数を上回り、民進党が少数与党の“ねじれ”状態となっている。国会職権関連法改正を巡っては、総統の国情報告や反問権、調査権、刑法への議会侮辱罪の新設などに関して国民・民衆両党と民進党の間で意見が対立。野党が優位に立つ中、28日の第3読会では総統に対して立法院での定期的な国情報告を求める内容や、反問権を認めないこと、答弁者が回答を拒否するなどの議会侮辱行為に過料を科すことなどを盛り込んだ各条文が審議を通過した。 この日の立法院院会では午前から関連法案の審議が行われ、国民党の韓国瑜(かんこくゆ)立法院長(国会議長)は午後3時29分、立法院職権行使法改正案の全条文が第2読会を通過したと宣言した。野党の強行採決に反発する民進党の立法委員は「話し合いをしないのなら延会せよ」「民主主義キラー」などの声を上げ、延会の動議を提出したものの、国民・民衆両党の立法委員によって否決された。 第3読会では議案内容の相互抵触や憲法・他法律への抵触がある場合を除き、文字の修正だけが可能。 (陳俊華、王揚宇/編集:名切千絵)