もう一度歩けるように…7歳女子YouTuberの思い 人気の裏側で、家族との壮絶リハビリ「頑張れないのは本当にやりたいと思ってない」
質問「頑張ろうと思っているのに頑張れない。どうしたらいい?」 りおな「私はそんな気持ちになったことない。“下半身麻痺で歩けなくなった脚で歩く、歩かせたい”って目的があるから頑張ってる。頑張れないって人は自分が本当にやりたいことじゃないんだと思う」……。 【写真】歩きたいという気持ちでトレーニングに挑むりおなちゃん 登録者数126万人のYou Tubeチャンネル『ちいりおちゃんねる』で視聴者からのお悩み相談に答えるりおなちゃん7歳は、先天性疾患を持ち、長期の入院や手術を繰り返してきました。りおなちゃんパパいわく「ずーっとピンチの連続の人生」。2歳半で発覚した側弯症の進行を食い止めるため、5歳の初夏に受けた手術によって、98cmの身長がグンと伸びることはありません。また、胸から下と運動の麻痺があるため、歩けない状態が続いています。 パパへの強烈なツッコミや変顔など、その明るさばかりが注目されるりおなちゃんと家族ですが、いちばんの願いはまた歩けるようになること。 トレーニング施設でのトレーニングに加え、自宅での自主トレは毎日。今回施設でトレーニングに真剣に向き合うりおなちゃんとご両親に取材。歩けなくなってから1年超、一緒にサポートしてきたトレーナーにも話を聞きました。
「歩くために、あらゆる可能性に賭ける」
側弯症の手術の影響で脊髄を損傷し、歩くことができなくなったりおなちゃん。両親は、術後に医師から「子どもは成長過程にあるので神経が回復することもある。それがいつになるかは未知数ではありますが」と告げられました。 入院中より車椅子だけでなく歩行リハビリも行っていましたが、「歩けるために可能性のあることはすべてチャレンジさせたい」と両親が自力でさまざまなリハビリ施設や医療機関をリサーチ。鍼治療、再生医療、専門的なトレーニングを受けられる場所を探し出し、できる限りのことを続けています。
「しんどいけど、歩くためならなんでもできる!」
そのうちのひとつが、車椅子YouTuber渋谷真子さんからのすすめで通うようになった、脊髄損傷者専門の「トレーニングジム【J-Workout®】」。車で片道5時間かけて、大阪市内にある同施設に月に一度のペースで通っています。 毎回トレーニングは3時間。取材の日は寝転んだ状態での脚上げやヒップアップ、腹筋、上体ひねり、500gのリストバンドを両手首に巻いてのミットパンチ、四つん這い歩行など16種類ものメニューに取り組みました。 約3mの長さの平行バーを持ちながらの歩行練習では、ゆっくりと一歩ずつ前進。胸から下の感覚がないため、一歩を踏み出すのさえ至難の業で、歯を食いしばるような表情も。りおなちゃんは「歩行練習のときは、右脚動け!左脚動け!と思いながらやってる」と教えてくれました。 ハーネスをつけての歩行練習では、当日担当の上田トレーナーから「左脚を出す時は、右に体重をかけて!」「体重を交互に軸足にかけながら、歩いているイメージを持って!」とアドバイスを受けながら5分以上の歩行を2度行いました。「子どもは集中力が途切れやすいのでこんなに長く歩けません。りおなちゃんの集中力の高さには毎回驚かされます」と話します。 トレーニング開始から1時間半経った時点でも、水分を補給する以外、本人は休憩せずに続けます。「疲れてない?」との質問に「えっー、まだ、1時間半しか経ってないの!?一生懸命やっているから、あっという間! むちゃくちゃお腹空いたけど、まだまだできるよ!」とガッツポーズを作ります。 りおなちゃんママは「りおなはトレーニング中、一度もしんどい、やりたくないと言ったことがないんです」。トレーニング中に「頑張れ。かわいい顔も忘れずに」と声をかけるとすかさず「パパ、今はそれ、まじでいらん」と返されていた、りおなちゃんパパは「以前は3時間のトレーニング後はグッタリしていて、帰りの車内ではずっと寝ていました。でも、最近は体力がついてきたのか、そこまで疲れていませんね。車内でもずっとおしゃべりしています」。 りおなちゃん自身、「しんどいけど、歩けるようになるためなら、どんなことでもできる!」と言います。