ファーウェイの最新AI半導体、来年初めに量産開始へ=関係筋
Fanny Potkin [21日 ロイター] - 関係筋によると、中国の華為技術(ファーウェイ)は最新の人工知能(AI)半導体「アセンド910C」の大量生産を来年第1・四半期に開始する計画。 一部のハイテク企業にサンプルを出荷しており、受注を開始した。米半導体大手エヌビディアに対抗する狙いがある。 生産は中国の半導体受託製造(ファウンドリー)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)に委託しているが、米政府の制裁の影響で最新の露光装置を利用できないため、歩留まり率は20%前後にとどまっている。 先進半導体の商業化には70%以上の歩留まりが必要とされる。 関係筋によると、ファーウェイの現在の先端半導体「910B」もSMICに生産を委託しているが、歩留まり率は50%前後。このため、ファーウェイは生産目標を減らし、納品を遅らせている。 中国は米国の制裁を受け、2020年以降、オランダの半導体製造装置大手ASMLの極端紫外線(EUV)露光装置を調達できない状態にある。EUV露光装置は最先端半導体を製造するために使用される。 関係筋は「ファーウェイはEUVがないため、短期的な解決策が存在しないことを理解しており、政府・企業からの戦略的な受注を優先している」と述べた。 SMIC製の半導体は、半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)製の半導体より性能が劣っており、アナリストや関係筋によると、ファーウェイはSMIC製の半導体をTSMC製の半導体で補完している。 TSMCは先に、自社の半導体がファーウェイの910Bから見つかったと米商務省に通知。米商務省はTSMCに対し、AIに使用される先端半導体の中国顧客向け出荷を停止するよう命じた。