「藤川阪神」のヘッドコーチ候補に宮本慎也氏(53)浮上も…“外様”以上に“大先輩への仁義”というハードル
阪神なら受けるのか
「阪神は巨人と違って監督人事でも野村(克也)さん、星野さんと外部の血を取り入れたことがあります。球児はNPBでは阪神一筋の選手でしたから、ナンバー2は生え抜きにこだわる必要はないでしょう。直近では矢野(燿大・前阪神監督)の時のヘッドは阪神に縁もゆかりもなかった井上(一樹・現中日2監督)でした。慎也が外様であることは全く問題ないでしょう」 元監督はこう答えつつ「そんなことよりも……」と、21年オフに中日のヘッドコーチ就任要請を断っている立浪氏への「仁義」の方が気がかりなのだという。 「この時はヤクルトと同じセ・リーグの中日であることが大きな理由だったようです。(19年限りで)ヤクルトのヘッドを退任してまだ間もない時期に、また、いつか古巣に監督として戻るかもしれないなか、敵チームで参謀役に就くことに抵抗感があると言われれば、立浪も手を引くしかなかったしょう」 しかし、阪神もヤクルトと同じセ・リーグの球団である。 「立浪氏の(依頼)は断り、藤川氏のなら受けるというのは辻褄が合わない。穿った見方をすれば、優勝の可能性が低かった中日ではなく、高い阪神ならやるのかということになります」(同元監督)
守備が課題の阪神、名手は適任
ただ、21年オフ当時とは状況が変わっていることは確かだ。ヤクルトでは高津臣吾監督が単年契約での来季続投が決まった。“つなぎ”の意味合いが強く、次期監督には今季限りで現役引退した青木宣親氏が有力候補に挙がる。年長の宮本氏のヤクルト監督の線は消えかねない。 「慎也は現場でこそ力を発揮できるタイプで、年齢的なことを考えると、そろそろユニホームを着ておいた方がいい。大阪出身で、関西圏で熱狂的なファンを抱える阪神の存在感は分かっているでしょう。阪神のヘッドはヤクルト監督より知名度が高いかもしれません。重みという意味でも、やり甲斐には事欠かないと思いますね」 阪神は土と芝の甲子園球場が本拠地で、守備の強化が課題とされてきた。優勝した昨季でさえリーグワーストの85失策。今季も85失策はリーグ5位だった。来季も実力拮抗が予想されるセ・リーグで、守備の強化は明暗を分けかねないだけに、名手だった宮本氏が腕を振るう余地は存分にある。 藤川氏は7月、自身のインスタグラムで上原浩治氏(元巨人投手)を交え、宮本氏と会食したとみられる写真を掲載した。宮本氏とは名球会の会員同士という接点もある。