「正当な批判」と「ひぼう中傷」の線引きは? パリ五輪…相次ぐ“中傷” AI使った監視システム導入
■AIを使って…パリ五輪の初対策とは?
藤井キャスター 「選手はもちろん、選手の周りの皆さんを守るという対策も必要ですね」 小栗解説委員長 「実はIOC(=国際オリンピック委員会)は、こうしたひぼう中傷に対して、今回のパリオリンピックから初めて、AIを使ったSNSの監視システムを導入しているんです」 「主要なSNSを35以上の言語でリアルタイムで確認し、ひぼう中傷が疑われる言葉や画像、絵文字を識別し、悪質な投稿を運営事業者に通知して削除を求めるということです」
■選手の心や命に関わる
藤井キャスター 「気軽にコメントできるからこそ、コメントするときに私たちが気をつけなければならないことは、どんなことでしょうか」 小栗解説委員長 「ソーシャルメディアに詳しい国際大学の山口真一准教授によると『正当な批判』と『ひぼう中傷』には、やはり線引きがあります。例えば『このプレーは良くなかった』など、試合内容やパフォーマンスを評価することは『批判』ですが、選手自身を攻撃すること、これは『ひぼう中傷』にあたります」 「例えば『下手だから辞めろ』など侮辱的な言葉を投げかけたり、『性格が最低だ』など人格を否定すること、『ウソの情報』にもとづく悪口などがひぼう中傷で、いかなる理由があろうと、やってはいけない」 「選手の心や命に関わりますし、書き込んだ人が民事、刑事の責任に問われるケースもあるといいます」 ◇ 藤井キャスター 「今回の五輪では特にSNSでのひぼう中傷が取り沙汰されていますが、私たちは自分の気持ちを整えきれない時に、むき出しの言葉を投げつける傾向があります」 「自分の不快感を誰かに押し付けていないか、SNSに投稿する前に立ち止まりたいものです。投稿された意見が正当な批判ならば、そこには必ず提案や生産性が伴います」 「人生をかけて努力してきた人に、指先だけで作った言葉のポイ捨てを、すべきではありません」 (8月1日放送『news zero』より)