「辞め商社」が大集結。物産に商事、伊藤忠…初の大手6社アルムナイ交流会
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日の総合商社6社の卒業生が集まるイベント「総合商社アルムナイMeet-UP!」が初めて開催された。 【全画像をみる】「辞め商社」が大集結。物産に商事、伊藤忠…初の大手6社アルムナイ交流会 参加費は軽食付きで1万円と高額だったものの、会場には約160人の商社OB・OGたちが集結し、会場は熱気に包まれた。
最大規模の「物産会」は800人
一言に「総合商社アルムナイ」と言っても、参加した6社のアルムナイ組織は、会社側の関与の有無や、アルムナイ組織と現役社員とが交流する場を持っているかなど、それぞれ特徴がある。 最も規模が大きいのは、三井物産の「元物産会」。元物産会は、中途退職者限定のアルムナイ組織として2011年1月に発足。Facebookグループには800人のアルムナイメンバーが参加しているという。 アルムナイ有志によって運営されており、参加資格は「原則リスクをとって三井物産を途中で退職した人」に限定している。 三井物産の次に規模が大きいのが、三菱商事の公式アルムナイ・MC-Alumni。2017年に発足し、現在621人の卒業生が参加しており、原則、依願退職時に三菱商事の人事経由で参加意向のあった人が加入している。「会社とは付かず離れずで、人事部内に担当者がアサインされているが、管理運営は自主的に行っており、会社は相談相手という位置づけ」とアルムナイ関係者は説明する。 2020年9月に発足した伊藤忠のアルムナイ組織・元伊藤忠会も、会社とは一定の距離を保っているようだ。 「独立・転職などで困っているメンバーを卒業生同士で支援し合うグループにしたい」という思いから発足し、現在180人以上が参加している。定年退職者は含めず、伊藤忠を中途で退職した人のみが対象という。
現役社員との交流を打ち出す丸紅アルムナイ
現役社員との交流を打ち出すなど、会社側との距離が近いアルムナイ組織もある。 最も発足時期が新しく2023年11月に誕生した丸紅のアルムナイ組織・M-Alumni(まるムナイ)は、丸紅人事部の主導で誕生した。現在退職者約240人に加えて、現役社員約60人も在籍している。 同じく住友商事も、現役社員が組織に加入している。 住友商事のアルムナイ・SC Alumniは、現役社員やアルムナイ同士、社外の方々とのつながりを生み出しオープンイノベーションプラットフォームとして2019年4月に発足。 約580人のアルムナイと約80人の社員が登録しており、2024年1月のアルムナイ総会は社員食堂で開催。現役社員100人超とアルムナイが交流したという。 双日も現役社員との交流を打ち出す。 双日アルムナイは、2021年4月設立で、現在約400人が登録。「ゆるやかな双日グループ」の形成を目指し、双日側と一緒に運営し、アルムナイの交流イベントには100人を超える現役社員とアルムナイ会員が集まったという。 参加条件は、双日(ニチメン、日商岩井)の元役職員で円満退社した人と、現役で経済・社会活動を行っている場合は、新卒・中途に限らず、在籍期間・年齢を問わず参加できるという。
各社の“大物OB”によるディスカッションも
イベントでは各社の“大物OB”が登壇するディスカッションも開かれた。 各社のアルムナイを代表して登壇したのは以下。カッコ内は代表的な役職。 住友商事OB…堀義人氏(グロービス経営大学院学長) 伊藤忠商事OB…澤田貴司氏(ファミリーマート元社長) 双日OB…藤森義明氏(LIXILグループ元社長) 三井物産OB…寺田親弘氏(Sansan社長) 丸紅OB…大石良氏(サーバーワークス社長) 三菱商事OB…名和高司氏(京都先端科学大学ビジネススクール教授) ディスカッションでは「商社での経験がその後もいきているか」「退職後にどんな変化があったのか」などがテーマになった。
横山耕太郎