両親の年金は2人合わせて毎月「8万円」です。わが家のように「低年金」のシニアはどのくらいいるのでしょうか?
年金は、老後の生活を支える収入源のひとつです。年金だけを頼りに生活したい、と考えている方もいるでしょう。しかし中には、夫婦合わせて毎月8万円しか年金をもらえないといったケースもあります。 そこで今回は、公的年金の平均支給額のデータを基に、低年金のシニアはどれくらいいるかについて調べました。低年金になる理由や、生活が厳しい場合の対策もご紹介しますので、参考にしてください。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
低年金のシニアはどのくらいいる? 低年金になる理由とは?
両親の年金を合わせて「毎月8万円」ということは、年間で96万円を受け取っている計算になります。 厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」によると、65歳以上で配偶者ありの場合、年間平均受給額は142万9000円(男性:203万9000円/女性:96万4000円)です。 夫婦合わせて300万円前後を受け取っている家庭が平均のため、年間96万円のケースは低年金であることが分かります。本人の公的年金受給額別に、65歳以上(配偶者あり)の人数をまとめた結果は、表1の通りです。
出典:厚生労働省「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」を基に筆者作成 本人の公的年金受給額が50万円未満の割合は、男女計で約4.45%(50万2000人/1128万7000人)です。「両親の年金が2人合わせて毎月8万円」というケースのように、低年金のシニアは一定数いることが分かりました。 低年金になる理由としては、現役時代の働き方が挙げられます。夫婦ともに自営業中心で働いていた世帯は、一方のみまたは夫婦ともに正社員中心で働いていた世帯と比較して、年金額が低くなる傾向にあります。 日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建て構造になっていますが、自営業の場合は1階部分にあたる国民年金のみを受給することになり、2階部分である厚生年金の上乗せがないためです。 また国民年金も、未納・未加入期間があったり免除を受けた期間があったりすると、満額を受給するために必要な「保険料納付済期間」が不足するため、低年金や無年金となる可能性があります。65歳前に繰上げ受給の手続きを行ったために、減額された老齢年金を受給しているケースもあるでしょう。