大社旋風に刺激「山陰でも戦える」 人口減なのに選手増…大敗から“大飛躍”のワケ
人口の少ない山陰でも…団員を増やし、結果を出すための努力
初戦で11失点大敗を喫した昨年の反省を生かし、新チーム発足後は「夏場の戦い方」に焦点を当て、体力の強化に努めてきた。昨年全国を経験した小林栞大主将(6年)らが率先してチームを引っ張ったことも「全国2勝」の大きな要因だ。 また、甲子園で93年ぶりの8強入りを成し遂げ話題を集めた、隣県・島根の大社高校からも刺激を受けた。「同じ山陰として意識していました。人口の少ない山陰でも全国で戦えるぞということを感じてもらえたと思う。人数が限られている中で自分たちも全国に来て、山陰に元気を与えられていればうれしい」と信岡監督。全国に通用する強さは十分に見せつけた。 全国的に野球人口の減少が叫ばれる昨今、過疎化が進む山陰では特に団員確保に苦慮する学童野球チームが少なくない。そんな中、宮ノ下スポーツ少年団は保護者と一体になったチームづくりに取り組むほか、インスタグラムを運用して情報発信にも力を入れることで団員を増やしており、現在は信岡監督が長男とともに入団した7年前と比べて、10人近く多い27人が在籍しているという。 そしてなにより全国大会で結果を残すことが、地域の活性化や競技人口増加につながるはずだ。信岡監督は「来年また全国の舞台に戻ってきたい」と前を向いた。
川浪康太郎 / Kotaro Kawanami