「裏金議員に対してしっかりと民意を突きつける」東京7区では”丸川降ろし”も、非公認議員たちの悲哀
とりわけ深刻なのは比例復活の望みが絶たれた“裏金議員”たちだ。中には「泣き落とし戦術」を繰り広げている候補もいる。 東京1区に出馬している山田美樹氏は10月23日夜に新宿区内で開いた演説会で、「私が勝てないと、私に入れて下さった皆さんの票が無駄になる」と涙声で訴えた。 ■維新の小野氏は捨て身で丸川氏追放へ 参院議員から東京7区に鞍替えした丸川珠代氏も10月16日、「なんとしても組織の論理に負けない、正しい道を行く者が正しい道を進める政治を、私は改めてここから作り直していきたい、そういう思いで天におられる安倍先生にお誓いを申し上げて、この選挙に臨みました」と涙ぐんだ。
丸川氏は自民党の公認を得たものの、公明党から推薦がもらえず、港区と渋谷区内に存在する1万2000票ほどの「創価票」が入る望みは薄い。さらに日本維新の会の小野泰輔氏が「私、小野泰輔あるいは維新なんて好きじゃないなという方は、立憲民主党にいれてください。そのことによってこの選挙区で、裏金議員に対してしっかりと民意を突きつけることができる」と、捨て身で「裏金議員」である丸川氏を追及。まさに丸川氏は最大のピンチにある。
しかも選挙戦後半に入ってもなお自民党に勢いがつかないことに石破茂首相は危機感を強め、10月21日に「緊急通達」を出して引き締めを図った。そして40ほどの「重点選挙区」を選び、集中的に応援体制を組むことにした。その中に山田氏の東京1区は入っていたが、丸川氏の東京7区は入っていなかった。 藁にもすがりたい彼らが頼みの綱とするのは、人気者の応援だ。9月の総裁選で1回目の投票ではトップとなったものの、決選投票で石破首相に敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には、130件もの応援依頼が殺到し、全国を飛び回っている。「なるべくたくさんの仲間を応援したい」と日程をやりくりするが、自分の選挙区入りもままならないほどだ。