「一般道では効果なし?」クルマ好きおじさんの好物【リアウイング】本当の役割とは
■ただ、当時の本当の役割はやはり「かっこよさ」
昨今は、(許される場において)200km/h以上出せるスポーツカーであっても、以前のような巨大なリアウイングはみられず、日産「GT-R」も日産「フェアレディZ」も、トヨタ「スープラ」も、リアスポイラーは控えめ。フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、パガーニやマクラーレンといったスーパーカーも、ド派手なウイングはほとんどみられません。
これらは、床下を流れる気流をコントロールしてダウンフォースを発生させるといった、代わりとなる空力テクノロジーが採用されているため。加えて、クルマの上面にリアウイングのような付加物を付けたくない、といったスタイリングに対する意識の変化も、大きく関係しています。 むしろ、美しいスタイリングを際立たせるため、高速走行している時だけ電動リアスポイラーが立ちあがるようにしていたりと、できるだけ目立たなくしているのが現代スポーツカーです。 巨大なリアウイングは、今ほど空力技術が発達していなかった時代に、エンジニアたちが必死に考えたダウンフォース発生デバイスでした。それらが、レーシングカーに取り付けられていることで、「速そう…」「かっこいい!!」というイメージをつくることができたというのが、市販車におけるリアウイングの本当の役割だったのではないでしょうか。 Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production Photo:HONDA,SUBARU,McLaren