ささいな一言で運命が一変?『ドラゴンボール』うっかり口を滑らせて窮地に陥った男たち
■ナメック星人について語ったベジータ
ドラゴンボールについてうっかり発言をしたのは、ピッコロだけではない。ベジータも同様に口を滑らせていた。 ベジータはピッコロを見てすぐにナメック星人だと気付く。さらに、ナメック星人は不思議な力を持っているので、ドラゴンボールのようなものが作れてもおかしくないと続けた。 そのため、ベジータは“地球がダメでもナメック星に行けばドラゴンボールがあるはずだ”と語っていた。 そして、この会話をスカウター越しに聞いていた人物がフリーザである。彼はドラゴンボールの話を聞いたからこそナメック星へと向かったのだ。そこからナメック星でのドラゴンボールをめぐる戦いが始まってしまう。 フリーザがベジータの会話を聞いていなかったらどうなっていたのか……? 恐らく、ベジータは地球を去った後、ひとりでナメック星へ行けただろう。それに悟空たちもベジータの発言がなければナメック星に向かうことはなかったかもしれない。とすれば、ベジータは楽にドラゴンボールを手に入れられたはずだ。 そう考えると、ベジータはうっかり口を滑らせたせいで自分の首を絞めている。
■クリリンの死について口にしたフリーザ
最後は、フリーザが戦闘中に口にしたことを振り返ろう。悟空はクリリンが殺されたのを見て、覚醒して超サイヤ人になれた。サイヤ人は激しい怒りによって力を得るため、追い詰めれば追い詰めるほど危険な存在だ。 その後、超サイヤ人となった悟空によって追い詰められてしまったフリーザ。それでもフリーザは自分よりも強い存在を認めない。100パーセントの力を出せば、超サイヤ人になった悟空にも勝てるはずだと信じていた。 ここまで窮地に立たされる経験がなかっただけに、フリーザは苛立ちを隠せない。だからうっかり悟空を煽るようなことを口にしてしまった。それが、「あの地球人のように!!!!」というセリフで、悟空にクリリンの死をわざわざ思い出させたのだ。 それによって悟空はブチギレてしまい、神龍への願いによって地球にすぐに帰る選択もありえたのに、フリーザと決着をつけることにした。フリーザがあそこまで怒らせなければ、悟空が周りの説得に応じて引く展開もあったかもしれない……。 『ドラゴンボール』では、うっかりと口を滑らせてしまうキャラがけっこう多い。今回紹介したもの以外にも、悟飯がグレートサイヤマンの正体をビーデルの前で明かしてしまったり、悟空が(本来知らないはずなのに)トランクスの父親はベジータだと口を滑らせたりしていた。 もしかすると、強キャラは戦闘が得意だが細かい配慮が苦手……なのかも?
大山元