武田鉄矢「勝てないライバル」 恩人・谷村新司さんをしのぶ
武田鉄矢さん(74)が、10月に74歳で亡くなった3人組バンド・アリスのメンバー、谷村新司さんを送る会に参列。マスコミの取材に対して、谷村さんとの思い出を明かしました。 都内で営まれた『谷村新司を送る会』には、THE ALFEEの3人やデーモン閣下さんら約600人の著名人と関係者、さらに、約2000人のファンが駆けつけ、谷村さんとの別れを惜しみました。 谷村さんと、若い頃から親交のあった武田さんは、取材陣に対して「(私は)1曲だけヒット曲があったんだけど、そのあとはまったく売れなくなって、食えなくなってしまった。それで、限界かなと思ったときに、“うちの事務所に来ないか?”と、言ってくれたのが谷村新司だったんです。彼の事務所に入って、そこからまた再起することができたんです」と、谷村さんとの縁を明かしました。 また、谷村さんの人柄について「彼はいい男で、事務所の社長に我々3人(海援隊)の給料までかけあってくれた思い出がありまして、あのときのアイツの気づかいは生涯忘れません。あのとき谷村に出会っていなければ、もう故郷に帰っていると思いますので心から感謝しています」と話しました。 さらに武田さんは、谷村さんとの関係について、「彼に対しては恩人というのもあるのですが、(当時は)若かったからライバルとして、彼に負けないようないい歌を作りたいと、張り切ったんですが、ずっと負けっぱなしです。彼が軽快な『チャンピオン』を作っているときに、私が作った対抗馬が『あんたが大将』ですから、実力の差が分かりますよね。社長から、“テレビのコマーシャルになるから旅の歌を作れ”と言われて、私が作ったのが『思えば遠くへ来たもんだ』という歌だったんですが、彼が作った歌は『いい日旅立ち』でした。この楽曲の差を見れば、彼に挑んでも、挑んでも、“勝てないライバル”でしたね。(谷村さんが)生きているうちに、“勝ったぜ!”という、いい歌を作りたかったんですが、間に合いませんでした」と、谷村さんをしのびました。