滑らかな乗り心地に感動! メルセデスの新作ミドルサイズ・クーペ、CLEに試乗 エレガントな走りに惚れた!
見た目も走りも超エレガント!
メルセデス伝統のロングノーズ、ショートデッキのデザインを踏襲した今やメルセデス・ベンツ唯一となる2ドア・クーペ「CLE」が日本上陸。六本木を拠点に開かれた試乗会で、その走りを堪能した。 【写真38枚】エレガントなクーペが俄然気になる! お洒落でプレミアムなメルセデス・ベンツCLEクーペの詳細画像はこちら! ◆プロポーションが美しい! メルセデス・ベンツ日本が3月に新作2ドア・クーペ「CLE」の導入を発表してから3週間。早くも公道で試乗できる機会がやってきた。 CLEクーペのボディ・サイズは4850×1860×1420mm。これは、先代型Eクラス・クーペと比べると5mm長く、10mm高いだけで、車幅は同じだ。そのEクラス・クーペより10mm短い2865mmのホイールベースは、現行型Cクラスと同一である。CクラスやEクラスに2ドア・クーペ・モデルが設定されていない今、CLEは実質的に、これらの立ち位置を担うのだという。 ラインナップは、現時点では1グレードのみ。導入されたのはCLE200クーペ・スポーツで、2リッター直列4気筒+48Vマイルドハイブリッド・システムのISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)と9段ATを搭載するFRだ。 先に一通りの説明を聞いてから、試乗車と対面。真っ先に、鮮やかなブルーを纏った試乗車の、ボディ・ラインの流麗さに目が留まった。上写真を見ると分かる通り、前後の車軸が車体の前に寄っていて、リア・オーバーハングが長い。ボンネットも長く、テール・エンドにかけてルーフ・ラインが緩やかに流れている。デザインの重心がやや後ろ寄りに見えるこのプロポーションが、どこか古典的な雰囲気も感じられて美しい。私の好みにもドンピシャだった。 いざ運転席へ。インテリアの基本的なデザインは、外観のフロント周りと同様にCクラスに準じている。特徴的なのは、CLEのために新たに開発したというスポーティなデザインのフロント・シート。座面の長さがしっかり確保され、肩甲骨が当たる部分は少し張り出しているから、リラックスしながらも適切な運転姿勢が取れるようになっているのだ。 ◆走りもエレガント エレガントな外観を得たCLEの走りを確かめるため、六本木のメルセデス・ミーを出発する。車内に聞こえてくるエンジン音は、直列4気筒と聞いてイメージするよりも野太い。街中を静かに走っている限り、9段ATは気づかぬ間に粛々とシフト・アップを続けている。ISGも加勢して1600回転から320Nmの最大トルクを発生するエンジンは、走り出しから頼もしい加速をみせてくれる。アクセレレーターは90年代のメルセデスを想起させるようなズッシリ感で好みが分かれると思ったけれど、微細な速度コントロールがしやすく、私には合っていた。試乗時間は2時間半。東京湾を渡り、千葉は木更津を目指した。 高速道路に乗ると、一般道と何ら変わらない静粛性の高さに驚いた。とりわけすごいと思ったのは、舗装が荒れた路面での走りである。多くのクルマなら、途端にゴォー、ガァー、と細かな振動と騒音が絶えず車内に入るような場面でも、何事もなかったかのように、スーッと走り抜けるのだ。その秘密はオプションのダイナミック・ボディ・コントロール・サスペンションを備えた脚にある。ハイトの低い20インチを履いているにもかかわらず、全体を通して路面への追従性が良く、終始しなやかに動く脚には腰を抜かした。9段ギアで100km/h時の巡航回転数はわずか1300回転。オプションのブルメスター・サラウンド・サウンド・システムで音楽を流し、シート・リラクゼーションをオン。そして、一人乗車であれば「ハイ、メルセデス」と呼びかけることなく指示ができるように進化した最新のインフォテイメント・システム(MBUX)にサンルーフを開けてもらい、日々の疲れが癒やされる、優雅なひとときのクルーズを楽しんだ。 すっかりこの世界観にやられて、飛ばす気なんて消えてしまいそうだったけれど、ワインディング路ではスポーツ・モードに。脚は一段と硬くなり、エンジン音は中低音の厚みが増す。一番気に入ったのは、中心付近がズッシリと重くなり安定感が増すステアリング。帰り道では、ステアリングだけスポーツに設定した。 見た目も走りもエレガントな大人の4座クーペは今や希少な存在だ。こんなクルマが似合う生活をしてみたい。そんな夢を抱かせてくれる、濃密で良い気分の2時間半だった。最後に装備表を確認する。試乗車の総額は1010万円。これがもう少し安ければ……。 文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=メルセデス・ベンツ日本 ■メルセデス・ベンツ CLE 200 クーペ・スポーツ(ISG搭載モデル) 駆動方式 エンジン・フロント縦置き後輪駆動 全長×全幅×全高 4850×1860×1420mm ホイールベース 2865mm 車両重量(車検証) 1800kg エンジン形式 直噴直列4気筒DOHCターボ 排気量 1997cc トレッド(前/後) 1605/1585mm 最高出力 204ps/5800rpm 最大トルク 320Nm/1600-4000rpm トランスミッション 電子制御9段AT サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル サスペンション(後) マルチリンク/コイル ブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク タイヤ(前)245/35R20、(後)275/30R20 車両本体価格(税込) 850万円 (ENGINE2024年6月号)
ENGINE編集部
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