観客動員数は? 選手育成は? 岩村&多田野も参加するプロ野球独立リーグの現在とは
育成力では四国リーグに軍配
では、まず2つのリーグの育成力を比較してみたい。表2はこれまでのドラフト会議での指名結果をまとめたものだ。支配下、育成、2つのドラフトでの合計指名人数では四国リーグの4チームが上位を独占した。とくに香川の指名数は飛び抜けた数字となっている。香川の所属選手は2006年以降のドラフトで必ず1人は指名されており、支配下選手枠での指名も7人でトップだ。NPB入り後も約半数の9人が一軍の試合に出場しており、育成という面では最も結果を出しているチームになっている。四国リーグの残り3チームは指名数がほぼ同数、愛媛は一軍経験者が香川に次ぐ6人とNPB入り後も結果を出せる選手が多く、徳島は支配下ドラフトで4人が指名されているように、ドラフト時の評価が高い反面、一軍で結果を残したといえる選手はまだいない。高知は人数で最も劣るものの、独立リーグ出身者としては最高の結果を残している角中を輩出している。 さらに四国リーグは選手強化の一環として2015年から6月7月の2か月間リーグ戦を行わず、その期間に北米への遠征を行うことを決めた。北米の有力な独立リーグのチームと試合を行うことでよりいっそうの強化を図る目的だ。四国4チームがNPBへの選手輩出という面でそれぞれ結果を残している一方、BCリーグの各チームは結果が出ていない。初年度に指名された内村が楽天で戦力として定着する好スタートだったが、2年目以降は毎年指名者を出しながらNPBでの結果が出ていない。2012年以降はオリックスとソフトバンク以外のチームからの指名がなく、NPB球団の関心が薄れているきらいがある。
大物の獲得で集客力を回復させたBCリーグ
次に集客面からの比較を行った。表3は両リーグの観客動員数の推移である。四国リーグが伸び悩んでいるのに対し、BCリーグの数字が順調に伸びていることがお分かりいただけるだろう。四国リーグは初年度に19万1,194人(1試合平均1,068人)を記録したものの、これは無料券を大量に配布した効果も大きかったようだ。2008年以降は一貫して下落傾向にあり、ここ3シーズンは10万人に届かず、1試合平均でも500人強と厳しい数字となっている。さらに今シーズン、リーグでは経費圧縮の方策として土日中心に行っていた試合を平日の連戦中心に変更、試合期間を集中させて高校野球などと競合する6、7月には試合を行わず北米に遠征することを決めた。この構想が集客にどのように影響するのか、裏目に出れば集客へのダメージは避けられず、これ以上の観客減はリーグの存続を危ぶませるものになるだけに今後の状況に注目したい。