常連組が消えたハリルJでなぜ本田圭佑は生き残ったのか?
今回招集されたのは25人。3人ずつが選出されたGKとトップ下、そして1トップを除いた8つのポジションを、原則として2人で争う。「4‐3‐3」を基本布陣とするハリルジャパンで、本田は長く右ウイングのファーストチョイスだった。 たとえば昨年を振り返れば、本田と右ウイングを争う選手として小林悠(川崎フロンターレ)が幾度となく招集されている。もっとも、その小林が左太ももに肉離れを起こし、プレーが不可能となった11月シリーズで序列に変化が生じる。 ハリルジャパンでは初めて招集された久保裕也(当時ヤングボーイズ=スイス)が本田との競争に勝ち、サウジアラビア代表とのW杯アジア最終予選第5節で先発。及第点のパフォーマンスを見せた。 今年1月にベルギーのヘントへ移籍した久保は、公式戦17試合で11ゴールと大ブレーク。ヤングボーイズ時代と合わせて今シーズンのゴール数を「23」として、かねてからハリルホジッチ監督がFW陣に課していたハードルをあっさりとクリアした。 「私はストライカーをずっと探している。いま誰が点を取れるのか。1シーズンで10点、15点、20点取る選手がいるかどうか。たとえば一人の選手に、10試合のチャンスを与えることはできない。チャンスが訪れたときにしっかり点を取って、自分でストライカーのポジションを勝ち取らないといけない」 UAE(アラブ首長国連邦)、タイ両代表に連勝し、日本代表がグループBの首位に立った3月シリーズ。2試合連続ゴールに加えてアシストも3つマークした久保は、昨秋からの4試合で指揮官の絶対的な評価を獲得し、右ウイングのファーストチョイスに昇華した。 となると、久保と争う選手として誰に白羽の矢を立てるのか。これまでの軌跡を踏まえれば本田と小林の二者択一となるが、ハリルジャパンにおけるゴール数を比較すれば、前者は岡崎慎司(レスター・シティー)と並ぶ最多の9ゴール。翻って後者はまだ無得点が続いている。