マックス・フェルスタッペン、26歳にしてF1優勝回数で歴代3位に。ただハミルトン、シューマッハーの“2大巨頭”は遥か先……果たして追いつけるか?
2023年のF1最終戦アブダビGPで優勝したのは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンだった。ポールポジションから盤石のレース運びを見せて今季19勝目を飾ったフェルスタッペンは、通算勝利数を54に伸ばし、これでセバスチャン・ベッテルを上回って歴代単独3位の勝利数となった。 2024年F1ラインアップ:現在の各ドライバーの契約状況を総まとめ フェルスタッペンの2023年シーズンは、まさに歴史的な1年となった。22戦中19勝は、その勝利数に加えて勝率(86.36%)でも歴代トップ。シーズン途中に記録した10連勝も、歴代最長記録だ。そして積み重ねたドライバーズポイントは驚異の575。年間で獲得可能な最大ポイント(全決勝レースで優勝+ファステストラップ、なおかつスプリント全勝)が620であることを考えても、“失点”はわずか45で、理論上最高値の92.7%に相当するポイントを稼いだことになる。 そんなフェルスタッペンは、今シーズンだけで19回も優勝したことで、歴代勝利数のトップ3まで到達した。しかもこの1年だけで、アイルトン・セナ(41回)、アラン・プロスト(51回)、そしてベッテル(53回)と、錚々たるレジェンドたちの記録を一気に抜き去ったのだ。 ただ、1位と2位の壁は恐ろしく高い。2位はミハエル・シューマッハーの91勝、1位はルイス・ハミルトンの103勝なのだ。しかも38歳のハミルトンは未だ現役であり、ここ2シーズンは勝利から遠ざかっているものの、今後勝利数をさらに積み重ねていく可能性も十二分にある。 依然としてハミルトンの勝利数とはダブルスコア近い差がついているフェルスタッペン。仮に来季以降、毎年5勝ずつ記録したとしても、103勝目に辿り着くのは10年後の2033年だということからも、ハミルトンがいかに途方のない数字に到達しているのかが分かる。 一方で見方を変えて考えてみると、F1は2026年にパワーユニットを中心とした大規模なレギュレーション刷新が予定されているが、それまでにレッドブルとフェルスタッペンが今シーズンのような強さを維持すれば……近いうちにトップ2の座を脅かすこともあながちあり得ない話ではなくなる。 少々乱暴な仮定にはなってしまうが、来季は24レースが開催され、今後も開催数が増えていくと予想されるF1において、フェルスタッペンが2024年、2025年に今季と同じく19勝ずつを記録したら……その勝利数は92となり、シューマッハーを抜いて単独2位となる。 ちなみにフェルスタッペンはレッドブルと2028年までの長期契約を結んでおり、この契約を予定通り履行すれば、あと5シーズンはF1を戦うことになる。ただフェルスタッペンはハミルトンやフェルナンド・アロンソのように40歳前後までF1を続けることに意欲的ではないようで、比較的早期にF1を引退する可能性を度々示唆している。F1参戦9年目ながら26歳とまだまだ若いフェルスタッペンだが、その勝利数はどこまで伸びることになるのだろうか? F1歴代勝利数ランキング:トップ10 1. ルイス・ハミルトン:103 2. ミハエル・シューマッハー:91 3. マックス・フェルスタッペン:54 4. セバスチャン・ベッテル:53 5. アラン・プロスト:51 6. アイルトン・セナ:41 7. フェルナンド・アロンソ:32 8. ナイジェル・マンセル:31 9. ジャッキー・スチュワート:27 10. ジム・クラーク:25 10. ニキ・ラウダ:25
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