【追跡】札幌すすきのガールズバー爆発火災(後編)「52回の『会いたい』…41歳男性の執着心とは」
HTB北海道ニュース
※VTRでは開始後5分ごろからにあたります。 ■41歳男性のSNSの投稿動画: 「高級シャンパン10本いただきました♪ありがとピョンピョン♪」 これは現住建造物等放火の疑いで捜査が進められている41歳男性のSNS。 およそ4年前、爆発火災があったガールズバーで撮影された映像が投稿されていました。バニーガールたちはこの男性とみられる名前を呼んでいました。 大やけどを負った女性従業員は火をつけたとみられるこの男性と数年前から交際し同居していたということですが、これまでもたびたび身の危険を感じる出来事があったと勤務先であるガールズバーの代表に打ち明けていました。 ■ガールズバーの代表: 「交際関係があった中でも、監禁されたりとかDVされたり罵声を浴びせられたりとかって聞いていました。ちらっと聞いたのは車で乗っている最中とかも、猛スピード出して『一緒に死のう』とかって言うぐらいやばいと教えてもらった。」 こうした中、女性従業員は先月7日、「彼氏ともめた」とすすきの交番を1人で訪れ相談しました。 女性は「してほしいことは無い」と言いましたが、警察はDV事案として対応。 翌日に女性を親族宅に避難させました。 41歳の男性に対しては女性に会わないよう口頭で注意をし、交際は解消されました。 この日、男性はSNSにこう投稿しています。 ■41歳男性のSNS投稿: (先月8日)「警察きやがった」先月10日ごろに男性が女性に送ったというメッセージには…。 ■41歳男性が女性従業員に送ったLINE: 「会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい…」ひとつのメッセージに打ち込まれたのは52回の「会いたい」。 さらには相手女性のために「生きたい」というメッセージも送られていました。 先月11日には… ■ガールズバーの代表: 「SNSを通じて首吊りをほのめかす配信をしていましたね」Qそれは被害女性に向けて「向けてでしょうね。」 女性はこの配信を知り、身の危険を感じて通報。警察によると、男性を電話で注意し「もうしません」と話していたということです。 その後の先月13日には、男性のアカウントにSNS上で自殺をほのめかす他人の投稿に共感するような書き込みもありました。 ■SNSの投稿: 「死にたいって言える相手がいなくて死にたい」 ■41歳男性のSNS投稿: 「僕も」 代表によると男性はほかにも女性の避難先である親族宅周辺に現れたり、SNSで何度も連絡を繰り返していたということです。 代表は女性従業員のSOSが警察に見落とされていたのではないかと指摘します。 ■ガールズバーの代表: 「別れた後に必要以上にストーカー行為をしていますよね。そこ警察の方わかっていますよね、もっと対応があったんじゃないですかって思っています。」 一方で警察によりますと首吊りをほのめかすライブ配信の際に男性を注意した11日の後は、女性から連絡は無かったということです。 数々のストーカー事件で被害者支援を担当してきた弁護士は、女性を親族宅に避難させ、男性を口頭注意にした警察の対応に不十分さもあったと指摘します。 ■ストーカー事件に詳しい中村浩士弁護士: 「親族の家に避難させる。これは加害者が知っていればあるいは調べることができれば何の意味もない危ない措置でしかなくて/避難させるとしたら加害者に全く知られていない場所/そういったところを支援して入居してもらう。その間の加害者の動き、親族の家、自宅、職場、こういったところへ接触がないかどうか、聞き込みであり防犯カメラ映像であり、そういったものでしばらく経過観察して危険な行動をとっていないかどうかと部分まで本来は確認をしないと非常に危ない。」 その上で… ■ストーカー事件に詳しい中村浩士弁護士: 「警察としては事が起きなければ、その起きた証拠なければ刑事事件として動けないと、これが基本スタンスなのかもしれませんがストーカー等の重大殺傷事件、これは現にもう重大な危険が迫っている場面なので証拠の確保ということ、それから身体(の安全確保)の方、この両面で警察がより踏み込んだアドバイスや支援をしていくことをもう一度見直す必要があるんじゃないかなという風に思います。」 すすきののど真ん中で起きた爆発火災。41歳の男性の動機はいったいなんだったのか?警察はこの男性の回復を待って、詳しく話を聞く方針です。 【スタジオ】 41歳男性の事件までの行動を時系列でおさらいします。 先月7日: 女性から「別れ話でもめた」と相談を受けた警察は、翌日、男性の自宅へ行き口頭で注意、女性を親族宅へ避難させました。 その際、男性は警察に「反省しています」と話した一方で、SNSでは「警察来やがった」と投稿しています。 先月10日ごろ: 女性に対し、何度も「会いたい」と書いたLINEを送りました。 その翌日(11日)、男性は女性に向けて自殺をほのめかすライブ配信を行い、女性は警察に通報します。 警察官が男性宅へ向かうも不在だったため、電話口で注意したところ、男性は「もうしません」と言ったそうです。 そして26日、男性は事件を起こしたとみられています。 女性が警察に相談し、親戚宅へ避難した日から事件までの間、男性は女性の避難先周辺に現れたりSNSで何度も連絡をするなどしていました。 警察によりますと、そもそも(先月7日時点で)「してほしいことは無い」と伝えられていたこと、何かあったら相談してほしいと伝えていたものの、先月11日を最後に女性からの相談はなかったということです。 HTBの取材を受けたガールズバーの代表は、今回の警察の対応について、被害者からの相談や連絡が途絶えてしまった場合でも、介入などの対応ができるよう警察内のマニュアルの見直しなどが必要ではないかと話していました。 ストーカーなどの事案については、まずはためらうことなく、警察への細かい相談をすることが大切です。
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