福原愛の次に中国で有名なWBO世界王者・木村翔が大晦日決戦で誓う無名返上
英雄ゾウ・シミンを倒した木村は、中国では卓球の福原愛に次いで有名なアスリートである。JBCの安河内事務局長が、中国のネット媒体の記者に聞いた話によると、サッカーも盛んな中国では、本田圭佑、香川真司に続く有名な日本人アスリートが木村だともいう。中国では街中でサインを求められることも。 「それでも日本では無名。福原愛より有名なアスリートになっていきたい」 9月末から現役の総合格闘家でもある山田崇太郎氏の指導を受けて週一で本格的なフィジカルトレーニングを始めた。青木ジムの有吉会長からは、「集中力がないから、そんなトレーニングをしたら普段の練習に支障が出る」と止められていたが、28歳にして挑戦、すでに1キロほど筋量が増え「スーパーフェザーの選手とやってパワー負けしない」というほどの効果を感じ取っている。 ただ木村は五十嵐のようなサウスポーが苦手である。 2013年のプロデビュー戦の王子翔介との試合では2度倒されて黒星スタート。王子もサウスポーだった。 「左を打ち抜かれたという悪夢がある」。以降、17戦のキャリアで2試合、サウスポーと対戦しているが1勝1分。未だにサウスポーのトラウマから脱却できていない。 その木村が「参考になる」と断言するのが八重樫が五十嵐を粉砕した4年前の試合だ。八重樫は、大橋会長の指示で、途中“コリヤン戦法”に切り替え、べた足で前へ出て距離を潰して五十嵐のスピードとサウスポーの利点を封じ込めた。 「僕のボクシングは前に出るしかないので。当然、研究はされてくるでしょう」 すでに香港での合宿を終え今週からは2週間の予定でタイ合宿へ入る。タイは暑さで脱水症状になるほど過酷な環境だが、合計スパー数は、「すべてサウスポーで250から300ラウンドを予定している」という。通常ボクサーの約3倍にも当たるハードな量。練習量で苦手意識を克服、対五十嵐戦法を染み込ませるつもりだ。