墓じまいについてお彼岸に考えてみる【実家のお墓どうする問題】お墓はホントに必要なのか?
なぜ「墓じまい」を考えたの?みんなの検討理由が知りたい
鎌倉新書の【第3回】改葬・墓じまいに関する実態調査(2024年)では、墓じまいを検討したり実施経験がある人に「改葬・墓じまいを検討した理由」をたずねています。 ●「改葬・墓じまいの検討理由」 ・お墓が遠方にある:54.2% ・お墓の継承者がいない:44.8% ・お墓の維持・管理費がかかる:27.4% ・お墓を継承したくない:9.9% ・その他:3.0% 「お墓が遠い」「跡継ぎがいない」など、致し方ない理由で墓じまいを検討するケースが多いようですね。お墓そのものを継ぎたくないという気持ちの問題という人は3%と少数派でした。
墓じまいにかかるお金はいくら?
墓じまいを検討しているものの、費用面が気になる人は多いでしょう。同調査より、改葬・墓じまいの実施費用に関するデータも見てみます。 ●改葬・墓じまいにかかった費用はどのくらい? ・30万円以下:16.0% ・31万円~70万円:24.2% ・71万円~110万円:19.5% ・111万円~150 万円:15.6% ・151万円以上:15.2% ・わからない:9.4% 鎌倉新書の調査では、改葬・墓じまい費用の回答として最も多かったのが「31万円~70万円」の24.2%。とはいえ、その他の費用帯に幅広く分布しています。 また、同調査リリースによると、墓石の撤去費用の相場は1平方メートル当たり10万円~15万円前後。墓地の広さに応じた費用がかかっていることが推測されます。
改葬・墓じまいを「やめた理由」トップは?
・解体費用が高すぎた:26.3% ・親戚から理解を得られなかった:21.1% ・手続きがめんどうだった:21.1% ・家族から理解を得られなかった:19.7% ・離檀料が高すぎた:11.8% ・将来検討:11.8% ・改葬先の費用が高すぎた:7.9% ・お寺・墓地運営者から理解を得られなかった:7.9% ・先祖にうしろめたい気持ちになった:6.6% ・その他:7.9% 改葬・墓じまいを検討したけれど、実際には実施しなかった、という人もいるでしょう。同調査によると、その理由のそのトップが「解体費用が高すぎた」、ついで「親戚から理解が得られなかった」でした。 墓じまいにかかる費用総額は、移転元や改葬先となるお墓のスタイル、お墓の移転の方法などにより異なります。特に改葬先の墓所の管理者(霊園・お寺など)と相談することが大切です。 家族がこれまで大切にしてきた慣習を尊重しながら関係者の同意をもらったうえで、気持ちのこもった墓じまいができたらよいですね。 ちなみに、国民生活センターには、お墓の引っ越しを知らせたところ、お寺から高額な離壇料を請求されたというトラブル報告も。心穏やかに墓じまいが進むケースばかりではない点も、知っておきたいところです。 次では、2024年の春・秋のお彼岸の日取りや、改葬件数のデータ、墓じまいに必要となる手続きなどに関するお役立ち情報をいっきにお届けします。