【漫画】鍛冶屋の見習いによるドタバタ劇…重ねた失敗によって生まれた成功に「姿勢を見習いたい」「見ていて気持ちが良い」と感動の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、漫画家の窓口基さんによる『武器鍛冶屋が“最強の包丁”作ってみた』だ。 【漫画】人の話を聞かないうえに自信満々…包丁を作るために駆け巡る見習いに「忘れてはいけない姿勢」と反響続出 同作は、webアクションで連載している『冒険には、武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~』の第2話にあたるエピソード。窓口基さんのX(旧Twitter)に投稿されると、多くの人が注目したようで1.3万もの「いいね」が寄せられている。そこで作者である窓口基さんに、同作を描いたきっかけや、こだわったポイントについて話を伺った。 ■人の話を聞かない、真っすぐな姿勢の見習いに感動の声? 金物店「組鍵屋」の見習いである「ルディ」は、いつものように親方の「ジックラ」に叱られていた。親方の命令で配達に向かうよう伝えられたが、酒場「風見山羊」に寄っては店主の娘である「ニコ」に愚痴を吐く。というのもルディが作った自信作である草刈り鎌は親方に認められなかったのだ。 ルディいわく、その草刈り鎌は、熊鋼の刃、牛鯨のヒゲバネなどでできており、木でも岩でも一撃で刈れるそう。「風撫での死(モート・カレサス)」と名付けたが、ニコに「日用品の名前に『死』って付いちゃだめだよぉ…」「裏庭とか畑の雑草刈る鎌を買いに来る人だし 岩切る機会無いと思うけど…」と一蹴されてしまう。しかし、ルディはニコが作ったシチューに夢中で、全く話を聞いていなかった。 ルディがニコの料理を褒めていると、ニコは「そろそろ研ぎ屋さんに出さなくちゃ」と言葉をもらす。普段から使っている包丁を研ぎ屋に出さないといけないらしく、その話を聞いたルディは目を輝かせながら「新しく作ったげる!!!!」と言って走り出すのだった…。 ルディのドタバタ劇が描かれた同作に、読者からは「真っ直ぐにやりたいことを追及するルディが見ていて気持ちが良い」「ルディとニコの関係性が何だか心温まる」「ルディの姿勢を見習いたい」など好評の声が相次いだ。 ■壮大な世界観は日々の想像から構築していく? ――そもそもの質問で恐縮ですが、『冒険には、武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~』を創作したきっかけや理由があればお教えください。 以前から双葉社の担当さんと「ファンタジー世界で女の子たちが主人公の漫画を描きたい」というお話をしていて、発明家キャラとかメカニックの女の子が好きなので、発明家気質の武器鍛冶屋の女の子が主人公に決まり、2023年末から連載開始しました! ――Xに投稿された『武器鍛冶屋が“最強の包丁”作ってみた』を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。 冒険者がダンジョンを攻略している時、一方その頃、冒険のちょっと外側では、鍛冶屋の卵や酒場の娘や素材屋の店主が日常生活を送っている。それはダンジョン攻略ほどドラマチックじゃないかもしれないけど、生きて暮らしてる以上は毎日何かしら起こってる!そんな雰囲気を楽しんでもらえたら嬉しいです。 ――愛嬌のある主人公「ルディ」や素材屋店主「グリオン」といった様々な魅力的なキャラ、「エールスロード」の街並みなど、スケールの大きい作品だと感じたのですが、こういった世界観を構築していくうえで特に意識したポイントがあれば、ぜひ教えてください。 元々設定を考えるのが好きなので、お話に反映されるかどうかは別として、半分趣味でとりあえずいろいろ考えて毎日過ごしています。 『冒険には~』は異世界の日常生活の漫画なので、町で暮らしているキャラクターはどうやって生活してるんだろう?というところから連想していくこともあります。 例えば素材屋は、冒険物語の主人公視点ではアイテムの購入とかダンジョンで入手したアイテムの換金のために立ち寄る程度ですが、素材屋視点では売買の瞬間以外も当然生活があって、それは在庫の整理だったり仕入れたアイテムの値付けだったり店の掃除だったり帳簿付けだったり、 毎日店を閉めた後は食材を買い物に行って店の勝手口から入って料理をしたり食べたり服を部屋着に着替えてから眠ったり、そういう日常があるはずなので、「在庫はどこに保管してるんだろう?倉庫があるのが自然かな。金庫もありそう。ファンタジー世界だから金庫はドワーフ製とか?魔法の仕掛けがあるのかも!ショーケースの下も棚になってるのかも」ということを考えたり、 「掃除用具はどんなのを使ってるんだろう?」とか「鍵はどんな形?そこそこお金持ちの商人だから専用の紋章をかたどった鍵とか使ってそう。グリオンは店の看板に自分の顔をデザインするほど自己顕示欲が強そうだし」とか考えたり、 あるいは、「店主が獣人だから日常で手に取るカップやペンは人間用とは違うかもしれない」とか、「いや、人間が多い町なので人間の日用品を買って使う方が手っ取り早くて安くて自然かも」と考えたり、 「獣人は寝る前に風呂の代わり全身をブラッシングするのかな?お金と時間に余裕がないと毎日人間に近いサイズの獣の全身をブラッシングするのは大変そうだからそういうのをやるのは貴族とか大商人っぽいな」と考えたり、という具合の連想の数珠つなぎで自然とその世界にあるべきものが揃っていく感じです。 思いついたものは一旦、作中世界の地理的条件や気候や文化や文明水準と似た現実の歴史の資料と照らし合わせて、無理がないか確認したり、ちょっと無理があったら作り方を調べて、その世界で手に入る素材と技術力で再現できそうな制作法を考えたりしています。 思いついた設定のほとんどは漫画の中で直接描写する機会はないですが、間接的にキャラクターの仕草や背景に良い生活感を与えている気がしています。 ――今後の展望や目標をお教えください。 描きたいキャラクターや武器やお話がまだまだたくさんあるので、これからもたくさん描いていきたいです! ――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします! 『冒険には、武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~』はおかげさまで第1巻が8月8日に発売しました!