女性研修医、レイプされ遺体で発見 インドで抗議拡大 政争に発展も
インド東部コルカタの病院内で8月、女性研修医がレイプされ、半裸の遺体で見つかった事件に抗議する医師らのデモがインド全土に広がっている。事件は波紋を呼び、対立政党がモディ首相らの辞任を求めるなど、政治問題に発展している。 【写真】インド東部コルカタで2024年9月1日、研修医への性的暴行と殺人に対する抗議デモに参加した人々=AP インド紙タイムズ・オブ・インディアによると、西ベンガル(WB)州の州都コルカタの大学病院で8月9日朝、遺体が発見された。被害者はこの病院に勤務する31歳の女性研修医で、検視の結果、レイプされたうえ、殺害された可能性が判明。警察は病院に出入りしていた男を容疑者として逮捕した。 英BBCによると、女性は長時間勤務後、病院のセミナー室で仮眠をとっていたところ、被害にあったという。 事件を受け、安全な休憩室といった労働環境の確保や、女性が恐怖を感じることなく自由に過ごす権利を求める同州の医療従事者らが、病院や路上でデモを決行。抗議の輪はインド全土に広がった。医師や研修医らのストライキにより、診療や手術が止まるなどの混乱も生じている。 9月4日現在も、WB州の多くの公営医療施設で抗議行動が続いている。現地報道によるとデモに参加した研修医は「正義を求める私たちの要求は満たされていない。私たちの姉妹(被害者)が正義を手にし、犯人が処罰されるまで、抗議は続く」と語った。
朝日新聞社