ドライバーとスプーンのシャフト 揃えるor別にする?/女子プロクラブ考VOL.4
一方でウエイトフローを取り入れているのが、西郷真央と原英莉花の2人で、共にUSTマミヤの「The ATTAS V2 1W(5S)&3W(6S)」を使用している。2人の師匠であるジャンボ尾崎の影響だろうが、スプーンによりコントロール性能を持たせたいのだと推測できる。つかまりを抑えてコントロールしたい、グリーンで止めたい、縦距離を計算したいなど、純粋に飛ばし特化ではないのだろう。シャフトの重さやスペックを変えて、自分の打ちたい弾道を探っていく作業は男子プロに多く、ショットメーカーの2人ならではのチョイスだ。 ドライバーとスプーンでシャフトメーカーが違う選手もいた。上田桃子、桑木志帆、青木瀬令奈の3人のみで少数派ではある。上田桃子のスプーンは2016年から使い続けている「X HOT PROフェアウェイウッド」に「ツアーAD PT」の「6SR」を挿す。ドライバーのシャフトは今年から藤倉コンポジットの「VENTUS TR RED」の「5SR」に変更していた。女子ツアーでは珍しいメーカー跨ぎとなっている。
1WとFWでシャフトの硬さを変える選手も
驚いたことに、41人中8人がドライバーとフェアウェイウッドでシャフトの硬さが違ったこと。例えば尾関彩美悠はドライバーに藤倉コンポジット「VENTUS BLUE」の5S、スプーンには同じシャフトの6Rを入れていた。あまり知られていないが、シャフト重量が増えると、同じモデルの「S」表記であっても、硬くなる場合がほとんど。硬さに敏感な選手だとそこで違和感を覚えるケースは多い。フェアウェイウッドは先端をカットして装着する事がほとんど。先端をカットすることで硬さが出るが、尾関の場合も先端カット量を調節してドライバーに対して振り心地の違和感が出ないように調整していると推測される。 我々アマチュアもフェアウェイウッドを重くする場合は、硬さを考慮してフレックスを落とすという選択肢も出てくるかもしれない。時にヘッドのメーカーが変わっただけで、同じSシャフトでも違和感を覚えることがあるので、ドライバーとスプーンのモデルが違う時は、注意が必要だ。(文・田島基晴)