〈いがみ合う野党〉固定ファンしかいない立憲、成果を焦る国民民主、ブレブレの維新…結局笑うのはこの人?
維新・吉村知事と前原共同代表の行き当たりばったり戦略に党内から不満
一方の維新は、国民民主が103万円の壁の引き上げについての同意書を交わしたこと、立憲が能登の復興費用支出を自民との協議で勝ち取ったことで焦りを見せた。 急遽、教育無償化に関する自公維の協議体の設置という成果を取り付け、補正予算案に賛成した。 ただ、この対応には永田町から冷ややかな声が上がる。 「前原共同代表は、国民民主の玉木氏が自民に接近していることに反発して国民民主を離党したはず。協議体の設置だけで、何も具体的な成果が得られていないのに補正予算案に賛成するなんて、筋が通らない」(野党関係者) 前原氏と、前原氏と頻繁に連絡を取り合う吉村洋文代表の行き当たりばったり戦略には、党内からも不満が漏れる。吉村知事は12月の代表就任直後は政権との対決姿勢を強調していたものの、国民民主の「103万円の壁」の引き上げ交渉を見て、方針を転換した。 「維新の国会議員団の中には、前代表の馬場伸幸氏に近い議員も多く、かねて大阪から『横やり』を入れてくる吉村氏に反発する声もあります。足元では党内がばらばらになる不安を抱えながら、政権との距離感を測っていくことになるでしょう」(全国紙政治部記者)
「固定ファンしかいない」立憲の嘆き
そして野党第一党の立憲は、国民民主が看板政策の「103万円の壁」の引き上げを実現する動きを前に、焦りを抱く。 「給食費無償化法案」を維新・国民と共同提出することで野党第一党としての存在感を示すことを狙ったものの、注目は国民民主に集まりがちで、立憲は埋没しがちな状況が続く。 日本経済新聞社とテレビ東京が12月20~22日に実施した世論調査では、立憲の支持率は9%で、国民民主の支持率14%に及ばない。 他社の調査でも国民民主の支持率が立憲を上回る傾向が続いている。衆院選前は、国民民主の支持率が1%という調査も多かっただけに、立憲内では衝撃が走っている。 立憲の若手議員は「有権者は、分かりやすく税金や社会保険料の負担を下げてくれる期待が持てる国民民主になびく。かといって、うちが自民と接近して『部分連合』のようなことをするわけにもいかない。参院選でも固定ファンの票しか獲得できないだろう」と地団太を踏む。