ロボットは「脅威」ではなく「希望」── iRobotコリン・アングル会長兼CEO
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掃除ロボット「ルンバ」シリーズや、床拭きロボット「ブラーバ」シリーズで知られる米ロボットメーカー「iRobot(アイロボット)」。掃除機能だけではなく、室内の照明機具や空調設備、テレビなど、さまざまなデバイスと連携して快適な生活を実現する「スマートホーム」を構成するシステムの提供を目指して開発を続ける。この先、ロボットはどのような進化を遂げるのか。新製品発表のために来日した同社のコリン・アングル会長兼CEOが、将来構想を明かす。
── この度の新製品「ブラーバ ジェット240」で、ここを見て欲しい、という点を教えてください アングル 大きなイノベーションは、使い捨てパッドの採用だった。従来製品では、使用した後のロボットの洗浄に時間がかかっていたが、今回のブラーバで用いるパッドは使い終わったらさわらずにゴミ箱に捨てるだけなので、ロボットを洗浄する必要がない。ほかにも良いアイデアが重なって解決策が見えた時、この製品は勝ち組になれると思った。 ── 掃除用のロボットはこの先、どのような進化を遂げるのでしょうか アングル 「掃除ロボット」というよりも、家庭をきれいに維持するための「システム」になっていく。これまで、掃除ロボットは他の製品との間で意思疎通を図ることもなかったが、今後は、たとえば最初にルンバが掃き掃除を行い、次にブラーバが拭き掃除を行うなど、ロボットが互いに連携し、より完璧な清掃を実現するようになるだろう。 でも、それはまだスタート地点に過ぎない。家の中には、照明や冷暖房機器など通信で制御できるデバイスが今後ますます増えていく。それらは、各々独立した形で制御されているがこれは良い戦略ではない。デバイスごとにアプリで管理すると、たちまち制御が複雑になってしまうからだ。必要なのは、家の中にあるこれらデバイスを統合するインテリジェンス(知能)だ。その部屋が何の部屋で、何があるのかを管理するインテリジェンスがあれば、人が入室すると機能すべきデバイスが動作するようになる。