恐怖が迫る連続強盗…「生き残れる可能性が高い家」の特徴と、いざという時に「武器になる“10の日用品”」を解説
■2階に「パニック・ルーム」を設ける 筆者は警視庁時代、南アフリカに赴任していたことがある。現地の治安は良くなかったため、大使館の安全基準を満たした住宅にはあらゆる防犯対策がしてあった。 その経験から、危険国に赴任する人には、就寝中の襲撃に備えて寝室を「パニック・ルーム」にすること、そして戸建てのような2階建ての建物の場合は階段の途中に鉄格子を設置して、2階全体をパニック・ルームにすることを勧めていた。
パニック・ルームとは、2002年に同名のアメリカ映画が公開されたことでも知られ、「セーフティルーム」とも呼ばれている。犯罪の多い海外では一般家庭でも取り入れられている形態の部屋だ。 鍵がついている部屋を「逃げ込み、立てこもる用の部屋」として、設備を強化しておく。 南アフリカは銃器による犯罪が多いこともあるが、筆者の住居にあったパニック・ルームには、廊下とつながる扉に鉄格子と2重3重の鍵、外に面する窓には2重の鉄格子を設置していた。
災害時のシェルターとしての役割も果たすため、富裕層の中には、そこに防弾、防火設備はもちろんのこと、内部にトイレや水道、食料庫などを設置する人も少なくなかった。 日本でそこまでの対策は難しいかもしれないが、ベッドルームなど扉がしっかりとした部屋をパニック・ルームに指定し、鍵を2重3重に設置しておくのでも十分に意味がある。余裕があれば、外部からのこじ開けや破壊に耐えうる強化扉に変えてしまうのも手だ。
窓には防犯ガラスや防犯バーなどの対策をし、部屋の中には助けを呼ぶための外部との通信機器を用意する。立てこもったときのために水などの飲み物も置いておくのもいいだろう。 鍵のついている部屋がないのであれば、市販のドアストッパーがあるし、窓ガラス用の防犯フィルムも売っている。 身の安全を確保できたなら、携帯電話やスマートフォンから110番し、通話を繋ぎっぱなしにすることが重要だ。 ちなみにGPS機能が搭載されている機器でも、通信司令室で取得される位置情報は、電波を受信した広い範囲のものなので、住所がピンポイントでわかるわけではない。そのため状況を見ながら、正確な住所(わからない場合はランドマーク)を伝えることが必要となる。