米選挙後のドル高トレンド、「荒波」に突入-ドル売りシグナルが点灯
日本銀行の植田和男総裁が18日、12月会合での利上げを明確に示唆しなかったにもかかわらず、ドル・円は上値を試せずにいる。フォスター氏は、ほとんどのケースで「円のフローは双方向だった」と述べた。
ブルームバーグ「マーケッツ・ライブ」のストラテジスト、ガーフィールド・レイノルズ氏は「選挙後のドル高は相対的な利回り動向から判断すると行き過ぎであり、短期的には直近の高値を取り戻すのは難しいだろう」とコメントしている。
米選挙後にドルがユーロやオフショア人民元、円などの通貨に対して上昇するとの見方を当初強めていたレバレッジファンドでさえ、ドル高継続への賭けを減らしているようだ。
JPモルガンのアサブレ氏は「過去1週間では世界的にドルに対する全体的なネットの売りが見られた」とし、「資産運用会社はユーロやポンドに対して若干のドル買いを行ったが、マクロヘッジファンドによる対ユーロでのドル売りで相殺された」と話した。
もちろんウォール街でドル高を見込む声は依然として多い。ヘッジファンドや資産運用会社、その他の投機筋は一段高を見越したポジションを構築しており、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した12日までの1週間の最新データによると、ドル強気ポジションは約177億ドル(約2兆7500億円)となっている。
ゴールドマン・サックスのストラテジストは今月、ドルが「より長期にわたり」堅調さを維持すると予想する理由を挙げ、長らく保持してきたドル安見通しを放棄。モルガン・スタンレーは25年にはドルがよりレンジ内での値動きで推移するものの、年内は上昇を続けると予想した。
マネックスの外国為替トレーダー、ヘレン・ギブン氏は「新政権の国内政策は経済をかなり活発に保つ可能性が高く、通商政策もドルに幾分の上昇圧力をかけ続けるだろう」と指摘。「これらの政策が実施されなかったり、効果がなかったりすれば、多少の下落余地はあるが、ドルを巡るリスクはなお上方に傾いている」との見方を示した。