中川翔子さん「アニメとは違う演じ方に苦労」 トランスフォーマー最新作の吹き替え版を担当
■アニメとのギャップ
中川さんといえば、これまで多くのアニメの声優を担当してきた。だが今回は洋画の実写版での17歳女性役。中川さんは演じる上で「外国人の10代の大人びている」部分が難しかったという。「テッサはティーンエイジャーですが私よりずっと大人。私は『オプティマス様!』『バンブルビーかわいい!』という風に脳が“小2”くらいなのに、彼女はすごくクールだから」と笑う。クールで大人っぽいテッサをイメージして普段より声を低くすることなどを意識した。 アニメ特有の演じ方とのギャップもあった。監督からは「大げさではなくリアルに演じてください」と指導があったという。「アニメのくせがついてしまっているのか、セリフを言うときに息づかいを大げさに入れるところがあった。アニメでは普段の会話では言わないような調子で強調する傾向があるが、それを取り外す作業から始めました」。 クールに見えるテッサだがそこは17歳。複雑に揺れ動く10代の心理を演じる難しさもあった。「ツンツンしているけど、お父さんに対して素直になれない気持ち、でも本当はお父さんのことが好きだよ、という気持ちがにじみ出るような、そういう部分を、微妙な声色で表現するのが難しかった」。ただ、「続編で出てくるとしたら、すっかり大人の“セクシー”テッサになっているのかな。今から「5」が楽しみ」と続編でのテッサの成長を楽しみにしている。 こうした心理描写の一方で、「トランスフォーマというとヒロインがとんでもない目に合う」と中川さんが語るような激しいアクションシーンも数多くある。中川さんは、映画後半は「ほぼ叫びっぱなし」だったと振り返る。地上800メートルのシーンのアフレコもあり、「想像もできないようなシーンがたくさんあった。実際、私も高所恐怖症なので恐ろしいシーンだった」。前半に撮ったドラマシーンで声のテンションを抑えるのに苦労したそうだ。 ハリウッド大作の「厳戒態勢のすごさ」を痛感したエピソードもある。テッサ役に選ばれるまでに声のテストが何回もあったが、その際の映像はテッサの顔以外、すべてモザイクがかかっていたという。「どういう風にセリフを言ったらいいのかわからない状況のまま、録音した」。ただ晴れて合格。「監督さんが最終的にOKのはんこを押したら本決まり。それまでに何段階も審査があった。これまでの人生にはない経験で、それほどの超大作なのだと身が引き締まりました」と語る。