【MLB】今季はMLB全体で3617盗塁 1900年以降では3番目に多いシーズンに 昨季から100個以上増加
昨季からピッチクロック、ベースサイズ拡大、牽制球回数制限といった新ルールが導入されたMLBでは盗塁数が増加し、昨季は両リーグ合計で3503盗塁が記録された。盗塁の増加傾向はさらに加速し、今季は両リーグ合計で3617盗塁。これは1900年以降では1914年(4574盗塁)と1915年(4108盗塁)に次いで3番目に多い数字となっている。1914年と1915年は2年間だけ存在したフェデラル・リーグを含めた数字であり、ア・リーグとナ・リーグだけに限定すれば、1900年以降で最も盗塁が多いシーズンとなった。 【動画】ドジャースの大谷翔平が今季59個目の盗塁を決める 今季はエリー・デラクルーズ(レッズ)が開幕からハイペースで走りまくり、最終的には両リーグ最多の67盗塁を記録。大谷翔平(ドジャース)は54本塁打&59盗塁という驚異的な活躍を見せ、前人未到の「50-50」を達成した。また、ブライス・トゥラング(ブリュワーズ)も自身初のシーズン50盗塁を達成。昨季に続いて3選手が50盗塁以上をマークした。MLB全体の盗塁成功率は昨季の80.2%から今季は79.0%とやや低下したものの、1試合あたりの盗塁企図数は増加。セイバーメトリクスの浸透もあり、盗塁は「リスクの高い戦術」として21世紀に入ってからは減少傾向にあったが、今季の1試合あたりの盗塁企図数は2000年以降で最も多かった。 この結果は「試合中のアクションを増やしたい」「選手が身体能力を発揮できる場を増やしたい」というMLBの狙いと合致する。また、9イニングの平均試合時間も昨季の2時間39分からさらに短縮されて2時間36分となり、1984年(2時間35分)以来の40年ぶりの数字となった。「試合のペースを向上させる」というMLBの取り組みも成功していると言えるだろう。ファンの要望に応えたルール変更により、観客動員数も2011~12年以来12年ぶりに2年連続で増加。総観客動員数は7134万8366人で2018年以降では最多となった。MLBの取り組みは着実に成果を出し始めている。