「SNS無視できぬ情報源に」「物語性必要、リスクも」「第三者の拡散、選挙戦左右」 ネット選挙解禁11年、民意どう形成、課題
この状況は飲食店情報サイト「食べログ」に似ている。利用者の口コミが決め手となるように、インフルエンサーや身近に感じる動画投稿者らの意見が有権者の判断に影響を及ぼした可能性がある。立花氏のケースは特殊とはいえ、影響力のある第三者と連携する戦略が選挙で有効であることを示したと言える。 SNSの活用が重要性を増す中、候補者や政党が有権者の関心を集めて拡散を狙う動きが広がるだろうが、候補者の認知度向上には寄与する一方で、政策や理念といった本来の訴求点が希薄化する懸念がある。支持者らによる対立候補への誹謗(ひぼう)中傷やデマの拡散といった課題もある。 候補者自身の発信よりも支持者らの投稿が有権者に届きやすい傾向があり、この「第三者の声」が選挙戦を大きく左右している。SNSは単なるツール以上の存在になりつつある。 × × なかむら・よしみ 1992年高知県生まれ。慶応大院政策・メディア研究科修士課程修了。2022年ネットコミュニケーション研究所設立。