特別なスキル、資格は不要!…今、にわかに企業ニーズが高まっている〈普通のサラリーマン〉の定年後の働き方とは【シニアキャリアコンサルティングが解説】
50代になり、いよいよ見えてくる「定年退職」。定年後も働く場合、どのような働き方をするかについては、早いうちから計画しておきたいものです。行政書士でリスタートサポート木村勝事務所代表の木村勝氏の著書『老後のお金に困りたくなければ 今いる会社で「“半”個人事業主」になりなさい』(日本実業出版社)より、最近、企業からのニーズが高まりつつある、シニアの働き方について詳しく見ていきましょう。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
「業務委託」で 個人事業主的な働き方をする
個人事業主には「スペシャリスト型」と「リリーフマン型」がある 業務委託で働く個人事業主的な働き方に関する企業の受け入れる条件整備が進みつつあります。 「受け入れる条件整備が進みつつあることは理解できたが、“半”個人事業主として働くことができる人は、特別なスキルや資格を持つ人だけで営業や経理などごく普通のサラリーマンにはそもそも関係のない話ではないか?」 そう思われるシニアの方もいらっしゃるかと思います。 確かに今までは、専門職的な職種(法務部員や研修講師)や特別な資格・スキルを持つサラリーマン(ITの専門家、公認会計士など)が個人事業主化の中心でした。こうしたタイプの個人事業主「スペシャリスト型“半”個人事業主」とここでは名付けます。 「スペシャリスト型」の特徴 ・特別なスキルや資格をベースに仕事を行なう ・外部の専門家に依頼することで代替できる場合もあるが、立ち上がりまで時間がかかり、報酬も高額になりがち ・どんな職でも誰でも必ずしも当てはまるわけではなく、職種が限定される傾向がある ところが最近では、スペシャリスト型とは性格の異なる「リリーフマン型“半”個人事業主」に対するニーズも増えつつあり、また、実際に増えてきています。 「リリーフマン型」の特徴 ・その会社独自の業務プロセスや用語を熟知し、人間関係も有する。今まで築いてきた実務能力、人柄など信頼感をベースに仕事を請け負う。 ・その会社の実務面での即戦力としてその実力をよく知る人からの依頼で仕事を行なう ・誰かが対応しなければならないその企業でのエッセンシャルワークも対象になる [図表1]は、“半”個人事業主を「スペシャリスト型とリリーフマン型」を横軸に取り、「契約期間の長短」を縦軸に取ったマトリックスです。 皆さんが一般的にイメージされる“半”個人事業主は、マトリックス左上の「スペシャリスト型×短期契約型」に近く、特別なスキルが必要とされる業務に必要なときに必要な分だけスポット的に専門家として登板するタイプです。これに対して「リリーフマン型」は、職種に限定はありません。どんな職種でも登板の可能性があります。