「ソ連兵に銃口向けられ」平均年齢88歳超えの北方領土元島民 次世代の若者が思い引き継ぐ…中学生の時に関心持ち「伝える」活動開始 しかし関心の低さに直面…危機感も
元島民にも危機感
この状況に元島民も危機感を募らせています。勇留島出身の角鹿泰司さん。終戦直後の1945年9月、角鹿さんの自宅にソ連兵が押し入ってきたときの恐怖は今も鮮明に覚えています。 「1メートルしかない距離で銃口を向けられたときはもう撃たれるんじゃないかと。自宅の天井は突かれる、押し入れの布団は出されるタンスのものは荒らされ、バラバラにしていった」(北方領土の元島民 角鹿泰司さん) その翌年、角鹿さんは家族とともに漁船で根室に渡りました。ふるさとを追われ、80年近く。 北方領土の返還交渉は進展が見えず、ロシアのウクライナ侵攻でビザなし交流や墓参は中断に。先日の衆院選でも争点になることはほとんどありませんでした。 「ここで挫折してしまったらロシアに何と思われるか分からない。そんなことにないようこれからも国に力をつけていかなとといけない。死ぬまでの闘いだなと感じています」(角鹿さん)
半田さん 洋上慰霊に参加
9月、中断となっている北方墓参の代わりに、船から先祖を供養する洋上慰霊が行われました。この日は角鹿さんや大学生の半田さんも参加しました。 「国後島が見えて山が大きいなと思います。より近くまで来ているのを実感しています」(半田さん)
船は納沙布岬の沖合で停泊。初めて洋上慰霊に参加した半田さんは、島に眠る先祖や故郷に戻れず亡くなってしまった元島民に思いを馳せながら手を合わせました。 「残念ながら島に帰ることができなかった方に、『私たちもがんばります』と思いを込めました」(半田さん) 慰霊式のあと、半田さんは曾祖母と同じ勇留島出身の角鹿さんに島での生活について教えてもらいました。これからも元島民の思いを引き継ぎ、全国の人たちに伝えていきたいといいます。 「根室市民としてだけではなく、一人の後継者として、これからの次の世代の人たちに北方領土問題を伝え続けたいと思っています」(半田さん)
UHB 北海道文化放送
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