2021年から発行されている新500円玉。 そろそろ自販機にも対応してほしいです…。そもそも、なぜデザインが変わったのでしょうか?
2021年11月1日から「新500円玉」が発行されています。ただ2024年2月現在では、流通量がまだまだ旧500円玉に遠く及ばないことから、実物を手にしたことがない人もいるでしょう。 また、新500円玉を手にした人からは、「自販機で使えない」という不満の声が少なくありません。一体なぜ、このような事態になっているのでしょうか。新500円玉が発行された理由などとともに解説します。
新500円玉が発行された理由とは
2021年11月1日に新500円玉が発行された主な理由は「偽造防止」です。貨幣(硬貨)や紙幣は、発行から長い時間が経過すると、偽造の可能性が高まります。 そのため、お金を発行する政府や日本銀行では、新しいデザインや偽造防止技術を施すことによって、偽造を防いでいるのです。なお、今回発行された新500円玉には、「バイカラー・クラッド」と、「異形斜めギザ」という2種類の新たな偽造防止技術が搭載されています。 ・新たな偽造防止技術「バイカラー・クラッド」 従来の500円玉の素材はニッケル黄銅の1種類でしたが、新500円玉には白銅と銅が追加されています。この3種類の素材を組み合わせることで真偽の判定精度を向上させたのが、バイカラー・クラッドと呼ばれる偽造防止技術です。 バイカラー・クラッドでは、まず2種類の素材でできた金属板を、「クラッド」と呼ばれる技術でサンドイッチ状に挟み込んで円板状にします。次に、「バイカラー」と呼ばれる技術を使って、この円板を別の種類の素材でできたリングに挟み込めば完成です。 ・新たな偽造防止技術「異形斜めギザ」 500円玉の側面にあるギザは斜めになっています。これは、偽造への抵抗力を高めるために用いられている「斜めギザ」といわれる技術です。新500円玉では、この斜めギザの一部の形状が、他のギザと異なっています。これにより、偽造防止力が、技術的にも視覚的にも一層高められています。