【小泉恵未コラム】東京大賞典でのフォーエバーヤングの姿…坂井瑠星騎手に聞いた『海外競馬』と『ファンサービス』への思い
明けましておめでとうございます。本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。 まずは強豪ぞろいだった先月29日の東京大賞典を振り返ります。返し馬の際に、誘導馬にぴったりついて歩くフォーエバーヤングの姿をご覧になった方も多いことでしょう。SNSでも「カワイイ」と話題になりました。実はこれ、海外挑戦馬には大事な行動です。海外の重賞では、規定の距離(200から300メートルほど)をパレードし、そこからの返し馬も一定方向がルールの国があります。 世界を駆け抜ける坂井瑠星騎手のこと、海外競馬を意識して歩かせているのではと思い、うかがいました。「僕が乗る時には(どの馬でも)基本的には歩かせてというのを心がけています。そもそも日本でも騎手のルールとして常歩(なみあし)でゴール板を通過しなければならないとされています。特にフォーエバーヤングは2戦目くらいには『今後おそらく海外に行くことになるだろう』ということで、より徹底して行いました。人間がコントロールして、人間のタイミングで返し馬に行けるように。それがレースにもつながると思っています」 さらにはファンサービスの意味合いも。「あれだけ人気のある馬なので、ちょっとでもお客さんに見てもらいたいという思いもあります」。坂井騎手は、東京大賞典の優勝インタビューで「国内では初めて古馬の一線級と戦うことにはなりましたが、世界一を目指している馬なので、日本では負けられない気持ちでしたし、来年世界のチャンピオンになれるようにこの馬と頑張りたいです」とコメントしています。世界ではなく、世界一を目指すチーム矢作、デビュー戦からの細かい積み重ねの努力が実を結ぶものであることを、改めて教えられた気がします。今年のさらなる飛躍を期待しています! では、2025年を占う中山金杯予想です。馬場の高速化を視野に、クリスマスパレードを本命にします。中山の芝は3戦3勝、紫苑Sを制しても、斤量は55キロなのがプラス材料。対抗は天皇賞・秋3着のホウオウビスケッツ。アルナシームとパラレルヴィジョンは久しぶりの2000メートルへの距離延長をプラスと捉えて推奨馬に。最後の1頭は昨年から復調の兆しが見えるシンリョクカにします。 (フリーアナウンサー)
中日スポーツ