高まるニーズ「無痛分娩」に密着 全国で1割、東京は約3割 増加の背景に少子化や女性の仕事復帰など出産を取り巻く環境の変化
■メリットとデメリットを説明
6月1日、無痛分娩の説明会―。 吉田病院 麻酔科・花岡千佳医師: 「完全に痛みがゼロになるわけじゃありません。痛みは間違いなく緩和するんですけど、ゼロになるわけではなくて最大の痛みの約3分の1以下に抑えていく」 病院では無痛分娩の希望者にメリットとデメリットを考えてもらうため説明会に参加してもらっています。 「痛みが全くなくなるわけではないこと」「麻酔で起こりうる重篤な合併症」なども説明します。 麻酔科・花岡千佳医師: 「無痛分娩の麻酔をただ受けるという受け身ではなくて、患者さん自身が積極的に麻酔について理解してもらうことこそがリスク回避につながる」 費用は通常の費用に加えて8万円かかりますが、(2025年1月出産予定から10万円)希望者が多く、病院では月20人までと枠を設けています。 初めて出産予定: 「痛みに対する恐怖があるのと、出産後の回復が早いという話をよく聞くので」 2人目出産予定: 「(上の子がいて)産後、実家に戻れないというのがあって、産後の回復が早いのと計画的にこの日と決めて進められるので」 初めて出産予定: 「職場の先輩とかも経験したことない痛みだったと聞いてネットでも見ると、いろいろ書いてあって余計怖くなって、無痛分娩のほうがいいかなと」
■東京都は約30% 長野県は1.9%
増加傾向の無痛分娩。ただ都道府県によってばらつきがあり、東京は30%に迫っていますが、長野県はまだ1.9%。 現在、県内で実施している医療機関は吉田病院を含め3つしかありません。(他は信州上田医療センター、浅間総合病院) 実施する医療機関が少ない理由はー。 吉田病院・花岡立也院長 「無痛分娩の経験がある麻酔科の先生というのがやっぱり少ないというのが一つと、無痛分娩をやろうとすると産婦人科の先生が(麻酔を)やらなきゃいけないというので、そこまでちょっと手が回らないというのもある」 一方、大都市圏で多いのは少子化で分娩件数が減る中、ニーズが高まる無痛分娩に取り組まないと、経営が難しくなるという事情もあると言います。