駅名違っても乗り換えOK! 歩いてアクセスできる「異なる駅名のご近所さん」たち 京浜エリア編
都市部では、同じエリアで複数の鉄道路線が並行している場合があります。各鉄道会社は乗客の争奪戦が大変でしょうが、乗客からすると、放送などでは案内されない「隠れた乗り換え駅」があるなど、多くのメリットがあります。今回は、京浜間のエリアにある「異なる駅名のご近所さん」をご紹介します。 対象の範囲は、JR東海道線、京浜東北線・根岸線と横須賀線の品川~横浜~久里浜間としています。なお、JR線と京急線で駅名がまったく同じ「横浜」などは、一部の例外を除いてピックアップの対象外としましたが、「川崎」と「京急川崎」のように、少しでも名称が異なる駅は対象に含めています。 京浜東北線で品川駅を出て、次に到着するのが大井町駅。東急大井町線、りんかい線との接続駅ですが、海側へ歩くと、京急線の青物横丁駅と鮫洲駅に至ります。両駅とも、大井町駅からの所要時間は同じ10分少々ですが、特急と急行がとまる青物横丁駅の方が、利便性は高いといえます。 蒲田駅から先、東神奈川駅までの京浜東北線の各駅には、近隣に「京急」がつく同じ名称の駅があります。ただし、蒲田~京急蒲田間は多少の距離があり、歩いて10分程度かかります。また、東神奈川駅は、京急線と反対の方向へ足をのばすと、東急東横線の東白楽駅に出られます。 横須賀線に乗って横浜駅を出ると、しばらく相鉄線と並走します。同線は途中でカーブして横須賀線と分かれますが、その先の天王町駅と横須賀線の保土ケ谷駅は、徒歩15分圏内の距離です。 横須賀市に入ると、横須賀線は、田浦駅、横須賀駅の順にとまります。前者には、京急線にも似たような名称の京急田浦駅がありますが、その隣にある安針塚駅の方が、距離的には近いようです。後者は京急線の逸見駅、汐入駅の2駅にアクセスできますが、特急がとまるぶん、汐入駅の方が利便性は高そうです。横須賀線の終点である久里浜駅の至近には、京急線の京急久里浜駅があります。ここから横浜方面へは、運賃の安さ、本数の多さ、所要時間の短さにおいて京急が圧倒的なアドバンテージを持っており、そちらを利用する人が多いようです。 ところで京急線は、一部に京浜東北線や横須賀線以外の路線と近接する区間があります。とくに横浜市営地下鉄ブルーラインは、横浜~上大岡間で京急線と並走しており、比較的近距離で乗り換えられる駅も多くあります。なお、弘明寺駅は、京急と地下鉄で名称こそ同じですが、両駅は商店街を挟んだ向かい側にあり、乗り換えには時間を要します。 こうした駅と駅の位置関係を知ることは、電車の乗り換えの手間を減らすとともに、所要時間の短縮や交通費の節約にもつながります。また、事故などの輸送障害が起こった際、別路線での迂回によるアクセスがより容易になるというメリットもあります。お出かけの際は、目的地の最寄り駅だけでなく、周辺に別の駅があるかチェックしておくと、いざというときに役立つでしょう。
井上拓己