1粒44グラム 「丹波栗」産地で品評会 75歳男性が2年連続最高賞に/兵庫・丹波市
栗の最高級ブランド「丹波栗」を栽培する兵庫県丹波市、丹波篠山市両市の生産者がその出来を競う「丹波栗品評会」が、JA丹波ひかみ本店(丹波市)であり、最高賞の県知事賞に2年連続で蘆田昭治さん(75)=同市青垣町=の「筑波」が選ばれた。 高気温で成熟、落果が遅れ、今も収穫が続いている影響か、出品が36人、65点(▽丹波市=21人、39点▽丹波篠山市=15人、26点)と、昨年より15人、23点少なく、栽培が難しい年だったことを裏付けた。品種は、「銀寄」が30点、「筑波」22点など。 知事賞の蘆田さんの「筑波」は、4Lサイズ25個で1118グラム。1粒平均44・7グラム。「銀寄」「美玖里」「ぽろたん」と4点出したうち「筑波」が賞に入った。昨年の知事賞の「筑波」は1粒平均51・3グラム。「去年と比べ粒が小さく、あかんと思っていた。『えーっ』という感じ」と思わぬ知事賞を喜んだ。 散水はしていない。栗園が扇状地にあり、「木が大きく育って根が深く入り、扇状地の地下水を吸い上げてくれたんだろう。どこも日照りで苦労されていたから」と、地の利と樹齢が好結果をもたらしたと見る。 県立技術総合技術センターの木谷徹専門技術員らが審査した。木谷さんは「ご努力のあとがひしひしと伝わる」と言い、「早生はかなり高温障害の影響が出た。日焼けに病気が多かった。中生は落ちる時期が遅い。品評会の出品栗だけ見ると、物はきれい。最終的にどれだけ量が出てくるか」と話した。 生産者たちは「今年は『筑波』の方が『銀寄』より落ちるのが遅かった」「まだ木にイガが残っている」「裂果が多かった」などと、猛烈に暑かった秋が栗に与えた影響を口にしていた。