【伝説のパワーユニット】ワイルド・スピードのスター スープラMK4に搭載された2JZ-GTEエンジンは日産RB26に対する答えだった
シリンダーヘッドはヤマハが設計したアルミ製。歯付きベルトで駆動される2本のオーバーヘッドカムシャフトが24個のバルブを制御する。1997年9月からは可変カムシャフト調整システムが追加され、タイミングを調整できるようになった。興味深い事実がある: 日本では「紳士協定」により、「2JZ-GTE」は公式には280馬力しか発生しなかった。330馬力の輸出バージョンでは、カムシャフトが変更され、ターボはセラミック製排気タービンの代わりに弾力性のあるスチール製となり、噴射ノズルも大型化された。
シーケンシャルターボによる優れたレスポンス特性
トヨタはターボチャージャーシステムの開発に多大な労力を費やした。「2JZ-GTE」は、2つのターボチャージャーを並列に配置したシーケンシャルターボを採用。過給圧はバルブフラップと圧力セルによって機械的に制御される。その後、ブースト圧はエンジンコントロールユニットによって制御される電磁バルブによって微調整される。これは電子制御システムが故障しても、機械制御が機能するため、エンジンを過負荷から守ることができるというメリットがある。シーケンシャルターボチャージャーとは、エンジン回転数が低いときには排気ガスが1つのターボチャージャーのみを駆動することを意味する。エンジン回転数が上がると、2つ目のターボチャージャーのスイッチが入り、2つのターボチャージャーが並行して作動する。このシステムにより、高回転域で十分なパワーを発揮しながらも、低回転域での自発的で素早いレスポンスが保証される。
最大ブースト圧は約0.8バール。スロットルを離すと、余分なブースト圧はブローオフバルブを介してターボチャージャー前のバルブに戻される。これにより、スロットルを再び踏み込んだときにターボが素早く反応する。アクセサリーのブローオフバルブが開くと、プシューという音とともに余分な圧力が外部に放出されるため、印象的に聞こえる。しかし、スロットルを開けるとターボは再び圧力を高めなければならないため、エンジンのレスポンスが損なわれる。