不記載指示で証言相次ぐも…参院政倫審は非公開希望多く 参院選前の幕引き見えず
衆参両院の政治倫理審査会(政倫審)が18日開かれ、自民党派閥パーティー収入不記載事件に関し、派閥側からの不記載の指示などに関する証言が相次いだ。ただ、衆院では未出席だった現職15人全員が3日間かけて完全公開で出席するのとは対照的に、参院では27人のうち完全公開を希望・容認した4人が18日に出席しただけだ。来年夏に参院選を控え、早期に幕引きを図りたい自民の目算は狂っている。 旧安倍派の松川るい氏は18日の参院政倫審で「報道が出るまで不記載の慣習そのものを全く知らなかった」と述べ、先の通常国会で政倫審に出席しなかった理由について「解明に貢献できず、かえって選挙を控えている同志にも迷惑をかける可能性もあると思った」と説明した。 衆院ではこの日、柴山昌彦氏らが派閥から不記載を指示された経緯を詳しく証言した。一方、参院では松川氏ら4氏が出席したが、「資金還流の経緯は知らなかった」との認識を示すケースが目立った。 参院の旧安倍派は世耕弘成前参院幹事長が仕切っていたため、自民内では「派閥のことで世耕氏より詳しい人がいるわけない」(旧安倍派中堅)との見方がある。しかし世耕氏は先の通常国会の参院政倫審に出席した際、資金還流への関与を否定し「報告、相談も受けていない」と述べた。 参院では、当初非公開希望だった衛藤晟一氏が公開希望に転じたが、残り22人が全面公開に応じず、議員傍聴のみ許可する意向だ。自民内では、今国会閉幕後に閉会中審査として開催する案が浮上。全面公開を求める野党側は反発し、開催時期は見通せない。 参院自民内でも全面公開論が高まっている。旧安倍派の西田昌司氏は17日の党会合で「しっかり説明しないがために、ほかの仲間の選挙に影響を与えてしまう。仲間を守るためにもフルオープンで出ていただきたい」と訴えた。(永井大輔)