「飛距離が落ちた→スペックダウンしよう」は危険です! 冬に「やさしいクラブ」へのチェンジがダメな理由とは?
冬の飛距離ダウンを年齢のせいにしない
年齢とともに飛距離が落ちてくるのは自然の摂理。柔軟性も低下し筋力も落ちるので、いつまでも若いときと同じようなゴルフを続けられないのは当然です。 【動画】寒くても300ヤード!? 竹田麗央が脅威の飛距離を見せつけた“圧巻”ティーショット これが実際の映像です そうなってくると「クラブのスペックを落として少しラクにゴルフをしたほうがいいのかな」と考える人も出てくるでしょう。 しかし「安易なスペックダウンは、あなたのゴルフ全体のレベルを引き下げてしまう危険性をはらんでいる」とゴルフフィールズユニオンの小倉勇人店長は警鐘を鳴らします。特に秋から冬のスペックダウンは控えるべきだという小倉店長に詳しく話を聞いてみました。
「最初に、『飛距離が落ちた』と感じるのは本当に年齢のせいなのか、冷静に考える必要があると思います。秋から冬にかけての気温が低い季節は、夏のように体が動かず、飛距離が出ないのは当然です」 「しかも厚着をして動きにくくなっているうえ、ボールやシャフトが硬くなっているので、夏のピーク時よりも20ヤードから人によっては30ヤード以上、ドライバーの飛距離が落ちます。『いくら寒くなってきたとはいえ、こんなに飛ばなくなったなんて』とショックを受け、自分の年齢のせいにする人も多いんですが、案外そうではないんです」(小倉店長) 小倉店長自身も、10月初旬の涼しい日のゴルフで、8、9月と比べると一気に20ヤード近くも飛距離が落ちていたといいます。 この気候による飛距離ダウンを、自分の老化だと早合点するのは危険です。 小倉店長の実感として、大病を患ってしばらくゴルフから離れていたとか、大幅に体重が減ったというならともかく、老化によるジワジワとした筋力や柔軟性の低下で急に10ヤード以上も飛距離が落ちることは少ないといいます。 むしろ、季節や不調などによる一時的な飛距離ダウンを「老化だろう」と決めつけ、むやみにクラブのスペックを落としてしまうと、いつの間にか体がそれに合わせたスイングをするようになり、本当に「振る力」が失われて飛ばなくなってしまうケースのほうが多いといいます。 「とくに危険なのが、クラブをいきなり“やさしく”してしまうケース。たとえばアイアンなら、軽量スチールシャフトを装着したセミアスリート向けクラブを使っていた人が、『飛ばなくなったから』とアベレージゴルファー向けモデルの純正カーボンシャフト装着モデルにしてしまうのは、絶対ダメ」 「こういう場合、総重量にして50グラム近く一気に軽くなってしまうこともあるので、いままでの感覚でスイングしたらむしろ当たりませんから、手打ちで合わせるようなスイングになります」 「これに慣れたら本当に振れなくなっていきますが、一方でアイアンのロフトは以前より立っているので同じ番手での飛距離は変わらないか、場合によっては伸びている。そのうちにアッという間にドライバーの飛距離が20~30ヤード落ちてしまうんです。この悪循環を自分の年齢のせいにして納得してしまっている中高年ゴルファーは意外に多いんです」(小倉店長)