日本アニメと韓国ドラマ、世界展開を狙うディズニーのコンテンツ戦略
ディズニーのカン氏は「ムービング」第1シーズン制作を承認した当時を振り返り、成功の見通しに懐疑的な意見が出され、自分としてはリスク覚悟の決断だったと語る。この作品にはこれまでの韓国発シリーズとしては前例のない規模の予算が付けられた。
「リスクを冒す価値はあった。ヒットすればフランチャイズ化の実現性が高かったからだ」とカン氏。「これが当社本来の業務であり、得意とする分野だ」と述べた。
ディズニー+は韓国コンテンツの拡充だけでなく、スマートフォン向けゲーム「ツイステッドワンダーランド(ツイステ)」のアニメ化にも来年乗り出す。枢やな氏原作のこの作品はすでに小説や漫画でも展開されており、ディズニー+での配信はフランチャイズ拡大の新たな一歩となる。
ディズニー+はまた、講談社から一部アニメタイトルの独占配信権を取得。その中には「戦隊大失格」のシーズン2が含まれる。
アニメは依然として視聴者を引きつける主要コンテンツで、「ドラゴンボール」シリーズを手がけた鳥山明氏による「SAND LAND(サンドランド)」がそのトップに位置するとディズニーは文書で述べた。
ディズニーのオリジナルコンテンツ担当執行副社長、キャロル・チョイ氏は「アジア太平洋地域で生まれたストーリーは、一般的なエンターテインメント消費の定番となった。世界レベルの作品は各国で共感を呼び、厚みと熱量のあるファンダムを作り出している」と説明。「当社のコンテンツ戦略はこれらの地域で作られる質の高い、優秀なクリエーターによるオリジナル作品に今も焦点を絞っている」と述べた。
101年の歴史を持つディズニーはテーマパークから劇場公開映画、キャラクター商品に至る幅広いポートフォリオを抱え、長期的な視点でアジア市場にアプローチしている。
「この業界の進化はまだ始まったばかりだと考えている」とカン氏。「だから辛抱強く、戦略を貫くのみだ」と語った。
原題:Disney Bets on Korean, Japanese Originals in Asia Push (1)(抜粋)
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Sohee Kim