佐々木は五回、相手の失策で得点が入り、グラブをたたいて喜んだ（撮影・中井誠）

朗希で決めた！！　ロッテは1日、楽天との最終戦（楽天モバイルパーク）に5―1で勝利し、4連勝。3位を確定させ、2年連続でのクライマックスシリーズ（CS）進出が決定した。佐々木朗希投手（22）が、5安打1失点で2年ぶりの完投を果たし、5年目で初の10勝目を挙げた。バックネット裏にはドジャースのアンドルー・フリードマン編成本部長（47）ら米大リーグの球団幹部も訪れる中で、〝令和の怪物〟が力を発揮した。 【写真】バックネット裏には米大リーグ関係者が集結。視察に訪れたドジャースのフリードマン編成本部長とゲレン・カー副社長 グラブを大きくたたき、喜びをかみしめた。九回2死。108球目を投じた佐々木は、安田を左飛に打ち取った。今季のレギュラーシーズン最後の登板で5年目にして初の2桁勝利。引き分け以上で2年連続のCS進出が決まる一戦で、底力をみせた。 「（完投は）あまりない経験なのでよかった。（今季は）最後まで思うような投球はできなかったですが、野手やリリーフ、コーチの方に助けてもらって悪いなりに頑張れた」 一回は制球を乱して暴投で先制点を献上したが、崩れないのが今季の強み。スライダー、フォークボールを効果的に使って的を絞らせず、5安打1失点で10奪三振を記録した。最速は157キロ。2022年4月10日のオリックス戦（ZOZOマリン）で完全試合を達成して以来の完投勝利を果たした。 今季は右上肢のコンディション不良で2度の離脱もあったが、10勝5敗、防御率2・35で終えた。吉井監督は「今年は我慢の年だったと思う。いろんな意味で成長した。負けられない試合で今年のベスト投球をしたのは、やっぱりスーパースターになりつつある投手」と目を細めた。 将来的なメジャー挑戦を希望する最速165キロ右腕にとって、大きなアピールになった。バックネット裏には10球団の米大リーグ関係者が集結。ドジャースは大谷翔平の獲得に尽力したアンドルー・フリードマン編成本部長とゲレン・カー球団副社長の球団幹部が訪れた。今季初めて視察した同本部長は「彼は素晴らしく才能がある投手。過去にアメリカに来た才能のある投手たちの仲間に入る人材だ」と絶賛した。 いざ、3位からの下克上へ。佐々木は21、23年のCSファーストステージではいずれも初戦を任されて、勝利に導いたが日本シリーズの出場はない。「3位からですが、日本シリーズに行って日本一になれるように頑張ります」と背番号17。まだ見ぬ日本一の頂へ、挑戦権を得た。（森祥太郎）