歴史的な景観と、新鮮な魚介を北欧スタイルのフレンチで楽しめる〈ルアン NIPPONIA HOTEL 函館 港町〉!
日本初の国際自由貿易港として開港し、発展した函館。レンガ造りの歴史的な姿が残る場所で新たな食体験ができると噂のレストランが〈ルアン NIPPONIA HOTEL 函館 港町〉である。
函館を象徴する景観が残る“金森倉庫群地域”にある、レンガ造りの倉庫一棟を宿泊施設として改修した〈NIPPONIA HOTEL 函館 港町〉。外観や内部の造りはできる限り残してあるという。 ホテルのエントランスに入るとすぐに広がるモダンな空間がレストラン。北海道と函館の山海の恵みを主役とした“北欧風にアレンジされたフレンチ”がいただける。宿泊せずとも利用できるのが嬉しい。
ディナーのCコース(1万円)は、アミューズ、オードブル、温かいオードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザートといった構成。季節や仕入れによって内容は変わる。取材時の料理とペアリングした酒をいくつか紹介していこう。
オオズワイガニの脚肉の下に、函館の隣町・七飯(ななえ)町産のリンゴ、セロリなどと合わせたサラダ仕立ての蟹肉がたっぷりと詰められている“オオズワイガニのファルシ 発酵トマトのガスパチョとともに”。生のトマトを自家発酵させたものがベースのガスパチョをソースとして。 このレストランではドリンクのペアリングもシェフの提案。繊細な肉質ながらも濃厚な蟹の旨味たっぷりの料理に合わせたのは、はこだてわいんの“北海道100シリーズ ケルナー2023”(1210円/グラス)。北海道産の原料にこだわった“北海道100シリーズ”。余市産のケルナーを100%使用している。 きりっと冷えたワインは最初に甘味を感じ、飲み心地はスッキリ。ケルナーの大きな魅力である柑橘や青リンゴのような芳香が漂い、料理に使われているフェンネルの香りともよく合う。温度が上がるとともにボリュームがアップしていくのもいい。
“北海道産のブリを2種の仕立てで”は、背と腹の2種の部位をグリルとミキュイ(低温調理による半生仕立て)の2種の味わいに。グリルは軽い薫香が鼻腔をくすぐる。どちらも絶妙な火入れで、ブリ本来のおいしさも感じられる。オリーブや自家製ベーコンなどで作られたタプナードソースとともに。 食中酒にぴったりと勧められたのが、函館醸造の“郷宝(ごほう) 特別純米 磨き五割五分” (1210円/グラス)。北海道産の酒米100%を使った淡麗旨口。ケルナーの後に味わっても違和感なく、ほんのりと薫香を秘めた、きれいでキレのいい、仕込み水の美味しさまでも感じられる日本酒。ブリの旨味や酸味にも寄り添う。 シェフの齋藤寿樹さんは、恵み豊かな道南の食材をメインに使い、サステナビリティにも意識的に取り組む。 最近、地球の環境変化により函館で漁獲量が増えたブリや、噴火湾で豊漁のオオズワイガニといった魚介も積極的に取り入れ、新たな食を提案。例えば、ブリは北海道ではあまりなじみがない魚であり、オオズワイガニは豊漁が好感されている一方で、ほかの水産物の漁の網を破るといった厄介者という一面も。害獣対象である函館や道南のエゾシカを使用したジビエ料理も登場する。