自殺率は先進国で最悪レベル…隠れ精神病大国、日本の“心の闇”を描いた異色の漫画。NHKドラマ化の先に見据える日本の精神医療への期待「この国には苦しむ心を持つ人を待ち受ける甘い罠が多すぎる」
精神医療って、取り上げる側にも勇気のいること
――そしてこのたび『Shrink』がドラマ化され、8月31日からNHKで全3回の放送が予定されています。 本当にありがたい限りです。完パケのデータをいただいて観たのですが、NHKさんが全力でこのテーマに向き合ってくださっていると感じました。精神医療というテーマは、取り上げる側にも勇気のいるものですし、俳優さん、特に患者さん役を演じる方は、ある種の覚悟がいることだと思うのですが、みなさんの演技が本当に素晴らしかったです。 ――特に主演の中村倫也さんは、弱井先生にぴったりのイメージだと思いました。 中村さんも本当にこのテーマに真摯に向き合っていただいて、セリフをご自分のものにするために専門書を10冊以上読んで臨んでくださったと聞きました。基本的にクリニックで患者さんを待つ存在で動きがそこまで多いわけではない精神科医という役柄ですが、その中でも声のトーンや仕草を丁寧に演じてくださり、「弱井だ!」って思いました。 土屋(太鳳)さんもそこにいらっしゃる空気が本当に温かくって。撮影見学に行ったときも、気遣って声をかけてくださるんです。その優しい空気感をまとってクリニックにいてくださることが本当にありがたかったです。お二方とも、本当に本当に、素敵な方で、ますます大好きになりました。 ――ドラマ制作において、原作者として意見を求められることもあったのでしょうか? シナリオについては、構成やセリフを一緒に練る機会をいただけて、いろいろお話をさせていただきました。原作を書くときと同じように、医療従事者としてできる限り誤ったことはしないことと、患者さんの症状を大げさに描かないようにすることはしっかりとお願いしました。 ――そこは尊重していただけましたか? そうですね。当然、ドラマ制作側にもさまざまな事情がおありなので、いい意味での衝突や議論は必要なことだと思いました。何回もやり取りをさせていただきながら、一緒に落としどころを探っていくことができたと思います。
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