家計消費、7月は3か月ぶり増も……「食費」は減 東大が授業料UP 免除の年収、600万円以下で十分?【#みんなのギモン】
■「食料」「光熱・水道」は去年より減
加納解説委員 「その一方で、支出が減ったものもあります。『食料』(食費)です。物価高を背景に1.7%減少しました。牛肉ではなく安い豚肉や鶏肉が人気になったこと、野菜などについては生育不良で価格が高騰して買い控えが起きた可能性があるということです」 「さらに、電気代やガス代などの『光熱・水道』も4.6%の減少となりました。政府の補助が終了し、節約志向がより強まったとみられています」 河出奈都美アナウンサー 「旅行やテレビ・パソコンなど大きな買い物をした分、こういう食費や日々の生活費で切り詰めるという方が多かったのかもしれないですよね」
■塾に通う子どもが例年通りに戻ったか
加納解説委員 「ここから注目したいのが、教育に関する支出です。塾などの『補習教育』にかかったお金が、去年よりも26%増えました。去年は新型コロナウイルスの影響で塾に通う子どもが少なかったのが、今年は例年通りに戻ったことが背景にあると、総務省は分析しています」 鈴江アナウンサー 「逆に言えば、コロナ禍では学習機会がやはり制限されていたと読み取ることもできます。そういう意味では例年通りに戻ってよかったですね」
■東大、授業料全額免除の世帯年収は?
加納解説委員 「10日夜、東京大学は20年ぶりに授業料を値上げすると発表しました。現在は年間53万5800円ですが、来年度の学部入学生からは64万2960円と、約10万円の値上げとなります」 「そもそも国立大学の授業料は、国が定める標準額というものがあります。ただ、これは相当な理由があれば各大学の判断で2割まで増やすことができます。東大はその満額まで引き上げた形となりました」 桐谷キャスター 「10万円というと、結構大きな差にはなりますよね」 加納解説委員 「そうですよね。その負担を考えて、東大はこれまで授業料が全額免除となる世帯年収を400万円以下としてきましたが、600万円以下に広げる方針です」
■学生に聞いた…家庭の世帯年収は?
加納解説委員 「では実際、どれくらいの家庭が免除されることになるのでしょうか? 2022年に行われた調査で、東大の学生に自分の家庭の世帯年収を聞いたところ、『1050万円以上』と答えたのは約31%でした」 「『450万円未満』は約11%、『450万円以上750万円未満』も約11%でした。(600万円以下なら)この辺りのゾーンが免除されるイメージです。では600万円以上は免除されなくていいのか、支援が本当に行き届いていると言えるのか。検証が必要だと言えます」 森アナウンサー 「ヨーロッパの公立大学などは授業料が無償のところもあり、アメリカと比べると日本はかなり安いと言われています。授業料が上がるのなら、奨学金が借りやすくなったり、成績によって授業料が減免されたりといった制度がもっと広がると、よりいいなと思います」