さばいどる かほなんと楽しく学ぼう!いざという時の「災害サバイバル術」
防災において大切なのは、道具やアイデアを"使いこなす"ための準備。アウトドアで培った経験と知恵をフル活用すれば、キャンプ道具も災害時の頼れる相棒になるはずです。まずは一緒に試してみよう! 【写真39枚】ペットボトルをシャワーに、懐中電灯をランタンに!さばいどる かほなんの災害サバイバル術を写真で見る 今回は、さばいどる かほなんがナビゲート!
かほなん流・災害サバイバル術を”ぼうさいカルタ”で徹底解説!
昨年春、防災士の資格を取得しYouTubeにて『防災士 さばいどるチャンネル』を新設したさばいどる かほなん。テレビ出演などを通じて、積極的に防災啓発の活動を行なっている。 「キャンプ道具はもちろん、アウトドアの知識が防災に役立つということをちゃんと伝えたいと思って」 昨年チャレンジした、無人島生活から学んだことも多い。 「たとえば、キャンパーだったらファイヤースターターを扱える人が多い。炊飯器がなくてもフライパンでご飯が炊ける。あるものでなんとかしようっていう思考回路ができ上がっているんです。こういうのって、大きな自信につながるし、精神的にも強くなれるとわかりました」 一泊二日のキャンプ道具は、避難所の生活にも流用できる。普段から災害時を想定してキャンプ道具に親しむのもいい。 「テントは避難所生活でプライベート空間を作れる。誰でも設営しやすいポップアップ型があると安心です。あとは、数日間生活するなら寄りかかる場所がほしいので、背もたれ付きのコンパクトチェアを持っていったほうがいいよ、とか」 防災を考えると、道具選びの視点も変わってくる。 「キャンプで楽しみながらスキルを上げていくことが、防災力アップにもつながりますよ」 【ぼ】ぼくらキャンパーだからできる備えがある ・一次持ち出し品には軽量な"登山道具"を 避難場所へ逃げる際の非常持ち出し袋は、背負って走れる軽さが大事。ほかに携帯トイレやスマホ充電機器、ロープ、ライター、ラジオや乾電池、アメ、水、軍手などを用意。 ・マルチツール ナイフのほか、ハサミや缶切り、ドライバーなど機能が詰まったものがあると安心できる。 ・ホイッスル 救助を求める際や、人の助けを借りたいときの命綱となる。日頃から常備したい。 ・エマージェンシーシート 緊急時の体の保温、雨除けにもなるサバイバルシート。目立ちやすい色のものもある。 ・ヘッドライト 明るく、電池の消耗が少ない小型のLEDライトを。両手があくので逃げるときも安心。 ・レインウェア 災害時に雨に濡れ、体を冷やすのは危険なので、レインウェアの上下は欠かせない。 ・浄水器 大量の水は担げないが、浄水器なら手軽に携行できる。水が取れる地域で清水を得るには効果的。 ・二次持ち出し品には野外生活を想定した"キャンプ道具"をプラス 避難所へ行くときや避難生活の持ち出し品。非常食のほか、食器や衛生品(マスクはノーマルと防塵用2種)、着替え、スリッパ、モバイルバッテリー、現金などが加わる。 ・マット 就寝時はベッドに、団らん時は座布団になるマット。床の凹凸や寒さから体を守るのに欠かせない。 ・チェア 寄りかかれるものがないと辛いので、背もたれつきのコンパクトチェアを1脚準備したい。 ・シングルバーナー お湯が沸かせるバーナーは重宝する。手に入りやすいCB缶が使えるものがおすすめ。 ・クッカー&カトラリー 自分で簡単な調理ができる備えをしておくと心強い。カトラリーもセットで考えよう。 ・テント プライベート空間を確保するために必須。ひとりで簡単に立てられる、ポップアップテントがおすすめ。 ・ランタン 乾電池式が便利。補助でソーラー発電や蓄電、手回し発電ができるとなお良い。 【う】うちにあるものがひと手間で大変身! ・ペットボトルの蓋をシャワーに ボトルの蓋にキリで穴をあける。たくさんあけるとシャワーに変身。手や体を洗うのに役立つ。 穴を1か所にすると水圧が強くなるので、切り傷などの傷口の洗浄にも使える。 ・重曹との合わせ技 ペットボトルに400mlの水と重曹小さじ2を入れてよく攪拌すればシャンプーの代用品に。すすぎはキャップシャワーで。 ・懐中電灯がランタンに変身 懐中電灯をコップに入れて立てて、水を入れたペットボトルを乗せるだけ。光が乱反射して広範囲を照らせる。 レジ袋やポリ袋に空気を入れ、懐中電灯の発光部に被せて口を結べば簡易ランタン完成。白半透明の袋が明るい。 ・食品ラップの活用術 冷蔵庫や窓など目立つ場所に貼れば簡易的な掲示板に。 車などのはがれやすい場所は、テープで補強するといい。 食べ物をよそうときは、あらかじめ食器にラップを敷いておく。 食器が汚れないので、貴重な水を皿洗いに使わずに済む。 【さ】さっそく試して比べてみよう ・携帯浄水器4種の使い心地を比べてみた! ・ソーヤーミニ 濾過のスピードや量が違うが、すべてフィルター式で使い方も簡単。かほなんイチオシは、フィルター交換不要のソーヤーミニ(¥4,950)。 全長13・5cm、約41gの超小型浄水器。まずは専用のパウチか、市販のペットボトルに水を採取する。 ↓ ソーヤーミニを容器の口にセットする。逆さにして、ゆっくりボトルをプッシュすると水が出てくる。 ↓ 飲み水としての安全性やフィルターの目詰まり防止のため、水源はなるべくきれいなものを選ぼう。 フィルター交換が要らず、使用後は洗浄用注射器で逆方向からきれいな水を注入することで汚れが取れる。 ・GreeShow GS-282 こちらもボトルに取り付けて使う。3段階の濾過方式で、細菌、ウイルスなどのほか、重金属も除去できる。¥3,680。 ・ウルトラプレスピュリファイヤー カップとフィルター付きの筒に分かれ、カップに水を入れる。¥11,880。 ↓ 上からフィルター付きの筒をはめて、下に押しながら浄水。結構な力が必要。ボトル形状でそのまま飲める。 ・GreeShow GS-2801 スイッチひとつで自動的に大量浄水できる電動式。5段浄水システムで信頼性も高い。USB充電式。¥16,200。 【い】いのちを守る備えは万全に! ・着火道具のメリット・デメリットを見極めよう どれも簡単に手に入るが、使う場所や状況、気温などによって使い分けるといい。万が一に備え、2種類以上持っておくと安心。 ・ファイヤースターター 水に強く、濡れても拭けばすぐ使え、燃費もいい。着火にコツがいるのと、火口が必要。 ・マッチ 気温に影響されない。水濡れに弱いので、頭薬にマニキュアを塗り防水性を高めると◎。 ・ガスライター ・ オイルライター オイルライターは炎が大きく、風に強い。ガスは安価だが、寒いとつきにくい。 ◆バイオライト・キャンプストーブ2の実力は!? 焚き火しながら調理もでき、発電も可能なマルチギア。発電した電気は本体に蓄電され、焚き火していないときも電子機器に充電可能。 ※構成/大石裕美 撮影/花岡 凌 (BE-PAL 2024年5月号より)
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