センバツ高校野球 中央学院、吉報に歓喜(その1) 6年ぶり出場 総合力評価 /千葉
第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、特別協力・阪神甲子園球場)の出場校を決める選考委員会が大阪市北区で26日開かれ、昨秋の県大会を制し、関東大会でベスト8になった中央学院(我孫子市)の出場が決まった。6年ぶり2回目となる吉報に、選手や学校関係者らは歓喜に満ちあふれた。センバツは3月8日に組み合わせ抽選会があり、同18日に開幕する。【林帆南、高橋努】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち ◇抱擁交わし涙 午後3時半過ぎ、選考委員会のインターネット中継で出場校の発表が始まると、横田一弘校長や相馬幸樹監督らが集まっていた校内の会議室には緊張感が漂った。同43分、「中央学院高校」と呼ばれると、ほおを緩め、握手をして喜んだ。 その数分後、校内放送が流れると、グラウンドで練習中だった部員たちは手足を止めて吉報を聞いた。「よっしゃあ」と声を上げたり、仲間で抱き合ったりして、喜びを爆発させた。 ノックを受けていた主将の中村研心(2年)も歓声を上げた。副主将の颯佐心汰(同)と抱擁を交わし、一緒に涙を流した。 マネジャー5人は、部室で着替えている途中だった。中村彩夏さん(同)は「聞こえた瞬間、抱き合って泣きました。昨夏の県大会で敗れ、秋に挽回して関東大会に出場したことなど、いろいろな思いがフラッシュバックした」と感慨深げに話した。 校内で行われた記者会見では、中村主将は「一戦必勝で勝ち続けられるように頑張る」と意気込んだ。 同校は過去に春夏1回ずつ、甲子園に出場しているがいずれも初戦敗退に終わっており、中村主将は「1勝して歴史に名を刻めるように頑張りたい」と意気込んだ。 選手らに直接、出場決定を報告するために横田校長と一緒にグラウンドに向かっていた相馬監督は「発表を見ていた時は冷静でいられたが、選手たちを見ると、抑えられない感情が出てきた」と涙を浮かべた。一方で、「今後、抽選会の時に一番強いチームに当たりたい、というマインドで臨みたい。しっかり、準備をしていきたい」と気持ちを引き締めた。 相馬監督は、今チームの持ち味は「機動力」といい、選考委で秋の関東大会の他のベスト8や東京大会の準優勝となったチームとの比較によって代表に選出されたことに触れ、「ぎりぎりで生き残った運を生かし、頂点まで駆け上りたい」と誓った。 ◇我孫子で号外 また、JR我孫子、天王台駅前では、中央学院のセンバツ出場決定を知らせる号外計500枚が配布された。 ◇「仲間信じ、全力で」 選手ら晴れ舞台へ意欲 総合力を評価され、関東・東京の6校目に滑り込んだ中央学院。選手は喜びとともに、晴れの舞台での抱負を口にした。 総合力の中核をなすのが、蔵並龍之介(2年)、颯佐心汰(同)、臼井夕馬(同)の3人を軸にした投手陣だ。鋭いフォークを決め球に先発も担った蔵並は「甲子園では颯佐たち後ろで待っている仲間を信じ、一回ずつ全力でいきたい」。この言葉を聞いた颯佐は「勝つために力を出し切る。蔵並や臼井が疲れたら先発だってやる。昨秋以降に取り組んだフォークも試したい」と応じた。 投手陣をリードする捕手の飯山成夢(同)は「ピッチャーの調子を見極めて気分よく投げさせたい。もちろん打つ方も頑張りたいが、まずはリード。被安打を少しでも減らすのが自分の役割です」と話した。 一方、派手さはないものの、つなぐ意識を徹底する打線。昨秋の県大会では、小沢遼大(同)と水嶋悠(同)が、1、2番として多くの好機を築いた。小沢は「勝負強さがウチの持ち味。冬を越して、甲子園でさらに成長した野球を見せる」。水嶋は「関東大会では、いい左投手には抑えられてしまった。甲子園では左の好投手も打ち崩す。そして勝ちます」と意欲を見せた。