がんの遺伝子を持って…予防のため「両乳房の切除」を決断したアラフィフハリウッド女優
10月は乳がん啓発月間。乳がんは日本人女性にとって最も罹患率が高いがんとされていますが、日本だけのことではありません。世界で活躍する女優やシンガーなど、著名セレブたちも乳がんの闘病経験を告白しています。 【写真】アラフィフでママになった「超高齢出産」セレブ一覧
アンジェリーナ・ジョリーの手記~母親をがんで亡くして
「私の母は約10年間がんと闘い、56歳で亡くなりました。最初の孫と対面し、その腕に抱くことはできましたが、他の子供たちは私の母に会うこともなく、彼女がどれほど愛情深く、優しい人だったのかを知ることはありませでした。私たちは『ママのママ』について話し、彼女がどのような病気で亡くなったのかについて説明しています。すると子どもたちは、私にも同じことが起こるのかと聞いてきました。私はいつも『心配ない』と答えますが、本当のところは、私は乳がんや卵巣がんを発症するリスクを高めるBRCA1という遺伝子を持っています。主治医によると、私が乳がんになる確率は87%、卵巣がんになる確率は50%とのことでした。遺伝子の突然変異に起因する乳がんはごく一部で、BRCA1に欠陥がある人は平均で65%程の(乳がんを発症する)リスクがあるそうです。これが私の現実だと知り、私は積極的に、リスクを最小限に抑えようと決断しました。予防のために、両乳房の切除術を受けることにしたのです。乳がんのリスクは卵巣がんのリスクよりも高く、さらに手術も複雑なので、胸の手術から始めることにしました」
乳房切除を含む治療は3カ月
「4月27日、乳房の切除術を含む3カ月間の治療を終えました。その間、私はこの事実を隠し続けることができ、仕事をすることもできました。しかし、私の経験が他の女性たちの役に立って欲しいと思い、今この記事を執筆しています。『がん』とはいまだに人々の心に恐怖を与え、深い無力感を生み出す言葉です。しかし、現在では、乳がんや卵巣がんになる可能性を血液検査で調べることができ、対処することも可能です。私自身の治療は2月2日に“nipple delay”という治療から始まりました。これは、乳首の後ろにある乳管から病原と余分な血管を取り除くものです。これにより、ある程度の痛みと多くの痣ができますが、乳首を保存できる可能性は高くなります。その2週間後、乳房組織を切除し、代替の詰め物をするという大きな手術を受けました。その手術は8時間かかります。目が覚めると、胸にドレーンチューブやエキスパンダーが繋がれていて、まるでSF映画のようでした。それでも、数日後には普通の生活に戻ることができます。9週間後、インプラントで乳房を再建し、全ての手術が終えました。この処置はここ数年で大きく発展しており、その結果は美しいものです」